【第930回】 宇宙組織の魂のひびき

合気道は魂の学びであるので、魂で技がつかえるように努めているがどうしていいのかまだよく分からない。しかしお蔭様で少しずつ分かってきた。例えば「第915回 魂と神」「第916回 魂は神であるの確認」にあるように魂は神と分かった事、「第924回 気を出すためには魄をしたにする」にあるように魄を下につかうと気が出るが、それが魂になるだろうという事等である。因みに、神とは宇宙の営み、働きであると考える。人間のような姿をしたものではない。
魂というものが少しずつ分かっては来たがまだ十分ではないし、また魂の学びとは何をどう学ぶのかがはっきりしない。

今回は魂の学びがまた一歩前進したので記すことにする。これまで魂というものをどう学ぶのかと考えていため、それを技でどうつかえばいいのか想像できなかった。そうではなく魂のひびきで技をつかうという事でやるのである。それは次のような大先生の教えによるものである。
「合気は宇宙組織の魂のひびきを神習うての発動である。すべて宇宙の魂のひびきで合気を実践し、無限の力を生み出していかなくてはならない。宇宙組織の魂のひびきは、すべて宇宙に学び、宇宙の中心に帰一し、宇宙と同化していかなくてはならない。そして宇宙とともに進むのである。このようにして自己の体内に宇宙組織を、正しく造りあげていくのである。宇宙組織を宇宙の魂のひびきによって、ことごとく自己の心身に吸収して結ぶのである。」(武産合気p37)
つまり“魂の学び”とは“宇宙の魂のひびきを神習う”という事になるから魂を魂のひびきに代えて技をつかえばいいのだろう。魂のひびきは宇宙のひびきであり、神の働きということになるだろう。己自身が意識して発生するものではなく、無意識で発生するものなのである。

魂のひびきは感得できないし、まだどのようなものなのかよく分からないが多少想像は出来る。何故ならば、気によって相手をくっつけてしまう引力と相手を凝結させてしまう凝結力を発生するようになったからである。この引力と凝結は気のひれぶりであり、気のひびきであると考える。ひれぶりもひびきも現代語で云えば“波動”であるから、気の波動がつかえるようになれば魂の波動(魂のひびき)もつかえるようになるはずである。宇宙も万有万物、目に見えるもの、見えないもの、すべては波動なのである。

気のひびきがつかえるようになれば、次に宇宙組織の魂のひびきがつかえるようになるだろうし、魂がわかってくるのではないかと期待しているところである。一歩前進である。