【第939回】 布斗麻邇御霊の姿に忠実に
最近は大先生の教えのフトマニ古事記で技を練っている。大先生は、「フトマニ古事記によって、技を生み出していかなければなりません」と言われているからである。フトマニ古事記とは、布斗麻邇御霊の姿を古事記の神々の実行によって神生み島生みをし、宇宙・天地を創造し営み、地上や万有万物を完成させていく遺訓であると考える。
大先生は、「合気は天の浮橋に立たされて、布斗麻邇(ふとまに)の御霊、この姿を現すのであります。これをことごとく技にあらわさなければならないのであります。」と言われているので、技の稽古は、布斗麻邇御霊の姿が出るようにしている。そして古事記の神々と共に五つの御霊に対応する“あ、お、う、え、い”の親音をつかっている。お陰で技は大分よくなっている。
勿論、まだまだ不完全である。それは身体と心が教えてくれる。
今の最大の問題は布斗麻邇御霊の最初の天之御中主神御霊である。これまではのポチ・で腹を締めてから腹中・体中を拡げでの姿にしたが、これはどうも違うと感じたのである。そうではなく、腹中・体中を○く拡げ、そしてポチ・が現われの姿になるようにするのである。腹中・体中が拡がるとポチ・が自然と現われるのである。この方が次のとに上手く繋がるし、気も出やすいのである。
そこで念のため大先生の教えを改めて読んでみた。大先生は、
- 「この世の初めなき初めにいとも精妙なる大気、大空に満ち満ちたまえり。その御心の真中をさして主の大神とは申し伝え、名づけたてまつる。この一つの大気の御心こそ絶対なる至仁至愛の根本大精神なり。」(合気神髄P.51)
- 「天なく地なく宇宙もなく、大虚空宇宙である。その大虚空にある時、ポチ(ヽ)一つ忽然として顕わる。このポチこそ宇宙万有の根元なのである。そこで、はじめ湯気、煙、霧よりも微細なる神明の気を放射して円形の圏を描き、ポチを包みて、はじめて「ス」の言霊が生まれた。これが宇宙の最初、霊界の初めであります。そこで宇内は、自然と呼吸を始めた。」(合気神髄P.110)
と言われている。
つまり、宇宙の始めの初めは大虚空であり、その後にポチ・が現われ、そのポチを神明の気が包み、「ス」の言霊が生まれ、宇宙が始まり、呼吸を始めたということである。○が先でポチ・が後であるということになる。
更に、科学の世界、宇宙物理学で宇宙の誕生をどのように考えているのか調べてみた。一冊の本だけの考えなので他の考えも多くあるだろうが、その本の考えを記す。
宇宙物理学者の須藤靖博士著の『宇宙する頭脳は』は、「宇宙がいかにして誕生したかは全くわかっていない。次に、ビッグバンは、バン(bang)という英単語が用いられているにもかかわらず爆発ではない。しかし、宇宙は「誕生直後に」極めて高温かつ高密度の状態を経験したことは確実だ。そして「その状態」をさしてビッグバンと呼ぶのが普通である。」記している。
科学の世界でも○が先でポチ・は後という事であると思う。
大先生も、宇宙物理もポチ・の前に○があり、ポチ・から○になったのではないということである。
大先生と科学の世界からお墨付きをもらったということなので、これからは自信を持って、体中・腹中を○に拡げ、ポチ・が現われるようにし
の姿を現していきたいと思う。
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