【第12回】 反転々々の理

合気道の技で相手を倒すための要素として、技、力、スピード、リズムなどがあるが、より相手を納得させる、つまり宇宙万有の活動と調和した動きに近づくためには、おそらくまだ数え切れない要素があるはずだ。

その一つに、反転々々の理があげられる。合気道ではほとんどの技で、体と気は半身から半身、つまり反転から反転と、三度かそれ以上変換されている。一般に初心者は掴まれているところに気持ちや目がいってしまって、体の転換がスムースにできていない。だが難しいのは、体の反転よりも気の反転、転換である。体の転換と、気持ちの転換がスムーズにいかなければ、技は決まらないし、上達もしないだろう。
正面打ち入り身投げでも、相手と相対した相半身から、反転して入り身で相手の死角に入り、もう一度反転して相手を倒すまで、少なくとも三回は反転している。

反転は相手と接触する以前から行われなければならないと思うが、この反転が無限に増えれば、地球や宇宙の活動と一致し、自然や神との一体感ができるようになるのかもしれない。