【第604回】  気流柔剛の精進

「合気道は、体を△に象り、○を中心に、気により△□の変化と気結び、生産びを身体に現わし、生み出しつつ気魂力を養成し、皆空の心と体を造り出す精妙な道である。」という。従って、合気道の修業の目的は、「皆空の心と体を造り出す」(*皆空:正しき身魂の和合統一のこと、自由自在のこと)こと。そのために、「体を△に象り、○を中心に、気により△□の変化と気結び、生産びを身体に現わし、生み出しつつ気魂力を養成」しなければならないというのである。つまり、これの解釈を試みてみれば、体三面に開き、○△□の変化を、円をメインに気結び、生産び、足結、玉留結し、それを身体に現わし(技にあらわし)、技と体に○△□を生み出しながら、気魂力を養成していく、ということではないだろうか。

△○□とは三元の気流柔剛である。その働きは又三つの働きとなる。即ち生結、足結、玉留結の働きである。また、「気にも剛柔流の働きがある」(武産合気 P.100)つまり、流(動物の本性)にも、柔(肉体)、剛(骨)にも、また各々剛柔流の働きがあることになる。

合気道の稽古では、「皆空の心と体を造り出す」、つまり、宇宙との一体化を目指すために、△○□の気流柔剛を精進していかなければならないことになる。
△○□気流柔剛の精進とは、まず、気、流、柔、剛がそれぞれ働くようにすることである。気は気、流は流、柔は柔、剛は剛としっかり働くようにするのである。
更に、それぞれの気流柔剛が更なる三元の気流柔剛に働くようにすることである。気でも天の浮橋を流れるような気にしたり、岩を砕くような剛の気にするのである。そして流も柔も剛も各々が三元に働けるようにすることである。

もう一つの△○□の気流柔剛の精進は、精進して身につけた△○□がとなって、これがまた、丸く円にすることである。これを開祖は合気道の実行であると言われているのである。(武産合気P.27)

また、△○□を霊的に見ると、△奇霊、荒霊 ○和霊 □幸霊であるという。
己の技に、スサノウノミコトのような荒ぶる要素、相手と和してしまうような要素、仏の慈悲に満ちた要素を身につけ、そして今度は、それらが一つにになるようにすることだろう。