佐々木合気道研究所

【第932回】 足底を鍛える

前回は「手掌を鍛える」の主題で手掌について書いた。今回は足底を書く。手掌と足底は技をつかうに際して非常に密接な関係にあると思うからである。言うなれば、手掌と足底はシンクロナイズドするようなのである。手掌には掌底、小指球、母指球があるように足底にも踵、小指球、母指球があり、その双方の部位が連動して働くのである。というより双方に連動して働いてもらうようにしなければならないのである。

手掌と同じように、足底も鍛えなければならない。鍛えるという事は足底を十分につかうことである。十分につかうためには法則を見つけその法則に則ってつかうことである。
そこでこれまで見つけたその法則を記す。

• 足底を有効につかうためには、体重移動が重要である。足底に体重が載らなければならない。つまり腹を載せるのである。しかも、足底の縦方向に対し腹はその十字（直角）になる。
• 体重移動で足底は踵→小指球→母指球→（他方の側の）踵→小指球→母指球となる。足底の左右・横の動きである。 　踵→小指球で進み、母指球で方向転換をする。母指球には大きな力が加わる。大先生の足袋の母指球（拇指）の処はすぐに擦れ切れたと聞いている。
• 息を吐く時は足底を閉じ・萎め、息を引く時は足底を開く・拡げる。
  足底の上下の動きである。
• 手掌同様、足底も常に気で満たし、気で張り切っていなければならない。少しでも萎んでしまえば、地の力、体の力が手・手掌に伝わらず、いい技にならない。

足底も鍛えなければならないのである。つまり足底を十分に活用して技を練らなければならないという事である。
手掌を鍛え、足底を鍛えて手掌と足底が強靭になってくると、左右の手と足の四つが連動してつかえるようになる。そしてここから新たな発見があるようである。それは別の項で書くことにする。