【第932回】 霊と魂の関係
魂の学びである合気道を修業しているが中々難しくなってきて、今は厚い壁にブロックされているのである。この壁を乗り越えなければ先に進めない状態なのである。その壁が「魂」である。何とか少しずつでもこじ開けたいと試行錯誤しているわけだが、今回も「魂」に挑戦してみることにする。
どうするかというと、一つは合気道以外の他分野での魂の定義を研究することである。二つ目は「魂」と対照となる「霊」と霊と魂の関係を調べる事である。その中には合気道の教えに則したものがあればそれを取り入れていけばいいと考えている。現代はインターネットや立派な辞書、事典があり便利である。
見つけた「霊」と霊と魂の関係に参考になるものは次の通りである。
- 魂(Soul)と霊(Spirit)と欧米では使い分ける
- 人間の中で、霊は神との親しい関係を持つことを可能にする要素
- ’魂’は、人のこの世との関係において、横の見方です。‘霊’は神との縦の関係においての見方
- 体は感覚意識、魂は自己意識、霊は神意識として機能する
体は「我々に五感を与え」、魂は「現在の存在状態において我々を助ける知性と、感覚から生じる感情を与える」。一方、霊は「神に直接由来する」最も高度な部分であり、「霊によってのみ、我々は神を理解し、礼拝することができる」(ペンバー)
- 「霊は我々が神を意識する座であり、魂は我々が自己を意識する座であり、体は我々が世界を意識する座である。霊の中には神が宿っており、魂の中には自己、体の中には感覚が宿っている」(マーレー博士)
これを合気道では、「天地の連絡を切らぬように、神は人を造ったのです。人の内分は霊、即ち天との連絡機関であり、外分(体)はこの世との連絡機関です。」と上記、一般の定義と同じである。
しかし、合気道では「霊」と「魂」は同じに扱っている。開祖は「霊とは即ち「魂」のことである」と言われているのである。
もう一つの違い、特徴は、合気道に於いては、霊魂は肉体同様に造り上げることが出来ると次のように教えている。
「霊と体は理によって造りあげられる」「この肉体は黄金の釜であります。霊魂をつくり直すことができるのです」
お陰で少し「魂」が分かってきた。人と横に結ぶ魂と神と結ぶ霊を無意識に一緒くたにつかっていたために魂の力が出なかったと考える。本来は霊魂は一つに働いてくれるはずだが、まずはこれを分けて技をつかっていかなければならないだろう。この正否はこれからの稽古で技と体が判断してくれるはずである。結果が楽しみである。
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