【第917回】 上達のための一方法

これまで長年にわたって合気道が上達するように稽古をしてきた。お陰で初めに比べれば大分上達したと思うが、更なる上達を目指さなければならない。
しかし、これまでと同じように、ただ稽古を繰り返すだけでは大した上達は期待できないと思う。また、残された稽古の期間も限られてきたのでこれまでとは異なる、効率的な稽古をしなければならないと考えている。

上達のために、今、考えている稽古法を簡単にまとめて云うと、

  1. 徒手の技の中に法則を見つける
  2. その法則を他の徒手の技で試して、法則であることを確認する→身につける
  3. その法則を剣で試して、法則であることを確認する→身につける
  4. その法則を杖、居合で試して、法則であることを確認する→身につける
  5. その法則を舟こぎ運動で試して、法則であることを確認する→身につける
  6. その法則を坐技で試して→身につける 等
今やっている上達のための稽古法は、体を足→足→手の順でつかう事である。正面打ち一教でこの法則を見つけて、片手取り呼吸法で試し、これが法則であると思い、他の技で試すのである。
具体的にいうと、正面打ち一教の足→足→手の動きを、二教、三教、四教、入身投げ、呼吸法、小手返し、腰投げの他の技でつかうのである。
そしてこの法則で剣を振ってみると、この法則は剣にも対応している法則であることが分かり、剣と合気道の技に共通した法則であることを確認したわけである。
そこでこの法則を杖や居合、また舟こぎ運動でもつかうと、上手くいく事がわかり、法則である事がわかる。法則であるから無視することが出来ないということである。
ただ、坐技の正面打ち一教が今まで上手く出来なかったので、何とかこの法則を身につけて上手く出来るようにしたいと思っているところである。

つまり、これからの上達のための稽古法は、体系的、科学的な稽古法ということになる。やるべき事をやっていけば必ず上達するという、形にはまった稽古法ということになる。法則を発見したならば、後はこのシステムで稽古をしていけばその法則は身に着く事になり、一つ上達した事になるわけである。大先生は、常々、合気道は科学であると云われていたが、このことも含まれているように思える。

この方法で稽古をやっていけば、残された時間で大分効率よく上達出来ると期待しているところである。