【第916回】 踵と掌底

前回は、踵→母指球→踵→母指球の足のつかい方と足について研究した。これで体をつかい、技をつかって稽古をしていくと新たな法則があることがわかった。一つの法則が見つかると新たな法則が現われるのである。これはこれまでの経験上に起こっていることなので、これも法則なのだろう。
さて、足に続く新たな法則である。それは手の法則である。

まず、足と手は結び合、連動して動くということである。足の踵と手の掌底、足の母指球と手の母指球は繋がっており、連動して動くということである。これを法則とすれば、足と手はこれらの部位同士が繋がり、連動して動くようにしなければならないことになる。

次に、足は踵→母指球の順でつかうわけだから、手も掌底→母指球とつかわなければならないことになる。

母指球  掌底
これまで正面打ちで打ってくる相手の手を受け止める手を上げる場合、タイミングが合わなかったり、手に十分な力がでなかったのはこの順序の法則を間違えていたということである。つまり、これまでは手先や母指球から手を出していたわけである。やってみれば分かるが、手を手先から出しても大きな力は出ないし、出す手は不安定である。
以前、出す手は手鏡をつくるようにすればいいと書いたが、手鏡をつくるという意味はこの掌底をつかい、次に母指球をつかうということだったわけである。

手先(母指球)ではなく掌底からつかうと肩が貫け、掌底からの力(気)が体の裏から体の表(背側)に流れるのが感得出来る。
また、剣を振り上げて下ろすのも掌底→母指球(手先)でやれば力強く、安定した形になる。

後は、剣も徒手の技も、足の踵→足の母指球→反対側の足の踵・母指球→手の掌底・母指球(手先)→反対側の足の踵・・・と足の裏と手の平を一緒につかえばいい。(尚、後にこの手足のつかう方は更に変わる事になる。)