【第905回】 「人間は何も創造しない。ただ、発見するだけである」

サグラダ・ファミリア(写真)の建設で世界的に名を馳せている建築家ガウディは、「人間は何も創造しない。ただ発見するだけである。自然が作り上げたものこそが美しい。我々はそこから発見するだけだ。」という。一般の人には理解しにくいだろう。一般の人は、ガウディが設計し、建設したのだからガウディが創造したと思うはずである。

合気道をやっていると、このガウディの言葉の意味がわかるはずだ。合気道の創始者である植芝盛平翁(大先生)が同じことを云われているからである。
大先生は、合気道は神代から神がつくられたもので、人間がつくったものではない。合気道の技は宇宙の営みを形にしたモノであり、宇宙の法則・条理に則っていなければならないといわれている。

更に大先生は、 等と言われている。

サグラダ・ファミリアも合気道の技も人間が創造するのではなく、自然や宇宙が創造したモノを、我々が発見し、それをつかわせてもらうだけだということである。新たなものを創造したと思っても、それは自然や宇宙が創造したものか、又は理に合わない、美しくないモノのはずである。因みに、ノーベル賞でも創造ではなく発見で受賞している。
人間が傲慢にならないよう、また合気道を修業する上で、このガウディの「人間は何も創造しない。ただ発見するだけである。自然が作り上げたものこそが美しい。我々はそこから発見するだけだ。」を再認識したいものである。