【第337回】 笑顔の顔
昔から、笑いは百薬の長、笑う角には福来る、などといわれている。また、ストレスを和らげる効果があるとか、病気に対する免疫力機能を活性化するともいわれている。笑いは人にとって必要な、大事な宝であるといえよう。
笑いは基本的に肯定を示す行為の表情であるが、最近は人から笑顔がどんどん消えてきているようである。その原因は、「ゆとりがない」ということになるようだ。相手を許容する能力に自信がないと、笑顔がつくれないと考えるからだ。
笑顔がよいということは分かっているが、「ゆとりがなくて」笑顔になれないのを、どうすればよいかということになる。それなら、「作り笑顔」でもよいらしい。「作り笑顔」でもストレスを和らげたりすることができると、科学的にもメリットが証明されているのである。
笑顔をつくるポイントは:
- 目元をリラックスし、目が笑っている状態にする
- (あご)の筋肉、頬の筋肉をリラックスする
- 胸を広げ、息を楽に下腹でする
- 体全体がリラックスするようにする
一般にも笑いは百薬の長、笑う角には福来る、などといわれるくらいだから、笑いの効用はあるはずだが、では武道との関係、合気道の技の稽古において笑顔に意味があるのか、あるとしたらどのようなメリット(利点)があるのか、考えてみたいと思う。
実際に稽古で自分で試してみたり、稽古相手やまわりの稽古人を見ていると、笑顔には効果があると思えるし、笑顔で稽古をしていくべきだろうと思う。
さらに、生活も仕事も笑顔でやっていけるようになればいいと思う。
稽古に際しての笑顔のメリットとして、以下のようなものが考えられる:
- 顔がリラックスすると、体全体もリラックスして、重くなる
- 下腹に息と力が充実する
- 息が楽になり、心気が体中に流れる
- 目が楽になり、首(うなじ)が柔らかくなる
- 目の視野が広くなり、全体が見えるようになる
- 目は外面だけではなく、内面、心も見えるようになってくるようだ
(注:お日様はこの目で見なければならない。つまり、笑顔で見なければならないわけである。さもないと目を傷めることになるだろう)
- 気持ちがリラックスし、気持ちに余裕ができる
- 自分の心体を感じ、相手を感じるから、自分の力をコントロールすることができ、そして呼吸力・技が出せることになる。
つまり、笑顔→リラックス→余裕→自他を感じ→コントロール→呼吸力・技、ということになるだろう。
こう見てくると、技をつかうには笑顔でやらなければならないことになり、笑顔の顔をつくるのがよいということになるだろう。
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