【第812回】 窮地で自分が試される

最近、体調を崩してしまい、改めて健康と日常の有難さを実感するとともに、これまでいろいろな事に挑戦してやってきたことで、今回の窮地から抜け出すことが出来た事がわかった。
体調を崩して、身動きもできなくなり、立ち上がるのも、歩くのもままならない窮地から脱出するために必要だったのは、

等であった。ということで、医者も薬も必要なかった。

今回の体調不良になった原因とその直し方は、以前の類似した経験から、こうやれば直るはずだし、前に直ったわけだから、今回だって直ると信じたわけである。また、多少、起き上がったり、歩いたりするのはつらいのだが、これは相当の精神力と忍耐力が必要だった。稽古で鍛えていない一般的な高齢者なら、入院して一か月寝ているだろう。ふらふら街に買い物に出かけるのは不安なものだ。途中で倒れるかもしれないが、出来ると思い、勇気を奮い立たせた。勿論、人様に迷惑は掛けられないので、携帯電話を持参し、万が一のための緊急連絡先のメモを持った。
しかし、最強の頑張れる本は、人生観と使命感であったと思う。これがあるから、ここで終わりとしたくない、もう少し元気にならなければならないと思ったのである。

更に、今回の病気をそれほど深刻に考えていなかった理由がある。それは、己の使命を果たすための、与えられた“試練”であろうと思ったからである。“試練”であれば、この苦は何者かから与えられたモノであり、従って、それは解決されるはずだし、そして、その解決の後には、更なる発展があるということだと考えたのである。故に、今回の試練に感謝している。

これまで己の過去を振り返ってみることはなかったが、一寸振りかえってみると、出来る限りやりたいように生き、そしていろいろと挑戦して来たと思う。そのため、要らざる窮地も沢山経験してきた。もっと、楽で安全な生き方もあった。しかし、これでよかったわけだ。今回のような窮地に陥ったことで、それがわかったからである。もし、平和で安全な道を歩いてきていれば、今頃は、病院のベットで寝ているはずである。