合気道は、相対での形稽古で、技を練り合い上達していく一つの道である。目標は宇宙との一体化であり、宇宙完成へのお手伝い、そして自己完成である。
その目標に一歩々々近づくことを合気道での上達というはずである。
しかし、上達するために、技を会得していくのは容易ではない。
技は宇宙の営みを形にしたものであるから、技を会得することによって宇宙との一体化に近づけるわけで、技を会得できなければそれが不可能ということになる。
技を会得しなければならないが、技を会得するとは、まず、技を見つける事である。つまり、宇宙の法則を見つけることである。そして更に、その法則で体や息をつかい、そしてその法則で技を生み出し、段々に技を会得していくのである。
相対の形稽古で技を会得していくわけであるが、稽古相手を対象に技を生み出していくだけでは、小さな規模の技しか生まれない。
我々が目指している技はもっと広大な、地球規模、宇宙規模でなければならないはずである。
開祖は、「合気道は、地の呼吸と天の呼吸を頂いてこのイキによって、つまり陰陽をこしらえ、陰陽と陰陽とを組んで・・・技を生み出してゆく」と言われている。稽古相手だけではなく、今度は、地と天を結び、その陰陽の息によって技を生み出すことが肝要なのである。
それではそのために具体的に、どのような息づかい、体づかいをすればいいのか、また技につかえばいいのか等を研究してみることにしよう。
「片手取り呼吸法」でその天地の呼吸のつかい方を説明してみると、