相対稽古で技を掛けて、技と体を練っているが、まだまだ力不足を感じる。力不足なのである。力とは体力、腕力などの体の力と気の力である気力である。何故、力不足なのかを考えると、その原因は二つあるようだ。一つは、身に備わっている力が十分に強くない事。もう一つは、その身に備わっている力のつかい方に問題があることである。
長年、稽古をしてきて、年を取ってきているので、これから更に力をつけて行くのは容易ではないし、力がついたとしても高が知れているだろうから、これはあまり期待できない。
従って、二番目の問題を解決した方がいいということになる。
最近、稽古をしていて、力が十分に出ないのは肩にあることに気づいた。肩が弱く、腰腹や胸、下半身からの力が手先に十分流れなかったり、戻ってきてしまうのである。
そこで技を掛ける際に、自分の肩を観察してみると、手先と腰腹は結んでいるが、これだけでは大きな力が出ない事が分かった。名人や達人になれば、これでも大きな力を出すことが出来るはずだが、我々凡人には何かが欠けているということである。それは肩が強靭ではなく、そして十分に働いていない事である。
手先と腰腹を結んで、腰腹で手をつかう事は重要であり、必須である。それ故、肩を貫く必要があったわけである。しかし、今度は肩を強固にするわけだから、肩を貫くことに相反するわけである。合気道のパラドックスである。
従って、肩のつかい方の問題の原因は、肩を貫く体のつかい方をやってきたことということになる。だが、肩を貫いて技と体をつかう事は、この後も必須なのである。
それでは、肩がしっかりし、強靭になるとどうなるかというと、