【第776回】 フトマニ古事記 その6 謂筑紫島
入る息の外を搦みて降る御霊
謂筑紫島
「次に生むを筑紫島という。この島亦身一つの面四有。筑紫国、豊国、肥国、日向国という。舫てこれ由如し。四の形をなすの義なり。
息引く時は此の四の形をなすと云う傳なり。出る息は水にして○なり。引く息は火にして□なり。産るる時出る息は胞衣を吹き割りて吹く息をもて生きるあり。ナニヌネノの
(イキ)、ラリルレロの
の中に収まることは口伝に曰う可し。秘するにあらず。幽玄微妙にして筆紙に盡し難きを以ってなり」とある。
は四つの面のある島であるというが、それ以上の事は“筆紙に盡し難し”と云っている。
さて、合気道である。合気道では
を次の様に教えている。
- 「一霊の中心に対して霊魂を作り、その霊に又四つの働きをもたらしている。各々四つはまた四つの働きをもっている。それを一霊四魂といっている。」(武産合気P.110)
- 「精神的にいえば四魂(奇霊、荒霊、和霊、幸霊)の行にして、物質的には、天下水地の四大活動造営なのである」(武産合気P.79)
つまり、四つの國、四つの形は、精神的には、一霊四魂三元八力の四魂であり、物質的には、天下水地としているのである。

を一つの島の四つの國とするものから、一霊からの四つの働きの魂、また天下水地とされたことは驚異である。これでは“幽玄微妙にして筆紙に盡し難き”とあるのも理解できるというものである。
後はこれを技にどのように活用されなければならないかという事になる。この教えで技をつかってみることにする。
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