【第748回】 高齢退化と対策
「第742回 高齢退化」で書いたように、よく観察すると、自分自身にも高齢退化が日々、そして増々進んでいるのを実感する。恐らく誰もが年を取ってくれば体験したり、悩んだり、諦めたりするものだろうと思う。
多くの高齢者は、高齢退化がひどくなれば恐らく医者にみてもらって、それに対応するはずである。私自身も、もし合気道をやっていなければそうしただろうし、そうせざるを得なかったと思う。ここ数か月で気づいた高齢退化に下記のようなモノがあったが、中には命に関わるものもあるように、通常なら医者に行っているところ、自分でその解決法を見つけてきた。今のところ上手くいっているのでこれで行こうと思っている。
高齢退化で身心の機能が少しでも鈍らないように、前に書いたように、毎日の禊ぎは欠かさずやっているし、三食きちっと食べている、睡眠もしっかりとっている。しかしこれでも高齢退化は襲ってくる。例えば、
- 痣(あざ)が目につきだしたことである。顔や手や足に目立つのである。今までは気にも留めなかったが、気になり出した。
そこで毎朝食しているグレープフルーツを食べ終わった後に残った汁をそこに塗ることにしている。女性の美容でクリームなどを塗る感覚である。お陰で多少、薄くなったり、小さくなったりしているようである。
- ふらつきである。一瞬だが、体がふらついたのである。頭がふらつくから、体も思った通りに動かなかったのだろう。
そこで、ふらつく時はその前に塩分を多く取っていることに気づいたので、塩分を控えることにしたら良くなったのである。
- 水中毒。上記の塩分からのふらつきから、体内の塩分を薄めればいいだろうと思い、水を沢山飲むことにしたところ、水を飲むのを止められないようになってしまったのである。胃液が薄まってしまい消化力が落ちたり下痢になってしまった。恐らく麻薬中毒になった人が麻薬を止められないのと同じ状況であったのだろう。これでは不味いと思い、体と相談しながら必要に応じて飲むようにしている。
- 便秘、肌荒れ。前から便秘気味であったが徐々にひどくなっているようだった。また、稽古を激しくすると足の裏にひび割れが出来た。
何とかしなければと思い、どのような時にそれがひどくなるのか、また、調子のいい時はどんな状況にあったのかを想い返してみると、野菜を沢山摂った時は調子がよく、野菜をほとんど摂っていなかった時は酷いことがわかった。今は極力、野菜を心して摂るようにしているが、大分調子はいい。
- あたまのふらつき。酒を飲んだ後、頭と体がふらついたのである。それまでの酒に酔った状態ではなく、自分では自制できないような酷いふらつきであった。
そこでこれは命に関わるふらつきであると実感したので、酒を止めることにした。酒がない生活など考えられなかったし、寂しいかぎりではあるが、もう少しやることがあるので、止めることに決めた。
そのかわりにアルコール0のビールやスパークリングワイン等飲んでいる。
- 足の筋肉の退化。新コロナのせいで道場稽古が二か月ほど出来なかった。稽古を始めると、受け身が上手く取れない、正座がちょっとおかしい、歩を進めるのに違和感がある等、何かおかしいのである。また、駅の階段を上り下りするのがちょっとしんどくなった。
そこで何が問題なのか、その問題はどこにあるのか、そしてどうすればその問題解決が出来るかを考えてみた。
その問題の基は筋肉退化と分かった。それに気づいて足の筋肉を見てみると、大分痩せていることも分かった。上肢の筋肉は多少禊ぎで鍛えているのでそれほどの退化は見受けられない。
そこで足の筋肉をつけなければということになった。道場では、受け身をしっかり取るなどして、筋肉がつくように意識して稽古することにするが、家や自主稽古で何が出来るか考えた。一つは、最低一日一回は散歩に出ること、そして出来ればスーパーや駅の階段を上り下りすること。二つ目は、シャワーと風呂を使う際、風呂場の腰かけを階段に見立てて左右数10回づつ上り下りする(朝晩、左右20回)。
三つ目は、梅雨が上がったら、近郊の山登りをすること。そのために、『大人のBOOK 奥多摩・奥武蔵・秩父』とその1/50000の山と高原地図を購入し、行くところを調べている。1,2週間に一度は登りたいと思っている。
これが最新の高齢退化と対策である。それ故、多少詳しく書いたわけである。
自分の事は自分の責任であるから、自分の責任においてできる事はやるべきと考えるからである。自分の出来る範囲を超えた時は医者などの他人に任せればいい。ただ、他人に命を預けるわけで、まな板の上の鯛の覚悟がいるだろう。出来るだけそうなりたくないと思っている。失敗しても自分の責任なので諦めもつくと思っている。
これから新たに高齢退化が襲ってくることは確かである。出来るだけ上手く付き合っていきたいと思っている。
Sasaki Aikido Institute © 2006-
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