【第748回】 △・三角・体三面

正面打ち一教を研究しているが、まだまだである。有川定輝先生の正面打ち一教を目標に研究し、稽古をしている。
最近気がついたことに、有川先生の右左の手先が相手の手首と肘を同時に抑えていることがある。(写真) そしてこれをやろうとするのだが、全然出来ない。どうしても右か左かの手が先行してしまい、そして一方の手は張るのだが、他方の手が伸びずに縮んでしまい、後は力に頼ることになるから何とかしなければならないと思っていた。

その原因と解決法が分かった。
上手くいかない原因は一言で云えば“体の三角体”にあったのである。技をつかう際は、「心を丸く体三面に進んでいかなければならない」(合気神髄P.89 )の教えに従がわなかったわけである。体三面は三角法であり、武道の初めの仕組みであり、不敗の体勢であるというから、非常に重要であるはずだ。
また、三角・△は「気にして力を生じ、また、体の三角体は破れざる丈夫(ますらお)の姿勢を具備さすべく、この鍛錬により光と熱と力を生ず」(合気神髄P52)と云われるから、ますます重要になる。

まず、体三面をつくることである。①相手に対して半身に構える。前の手は前の足の上、後ろの手は後ろ足の上に置く。この状態から足を進め、手を上げても体は三面にならなし、手先は相手の手首と肘とに同時に接しない ②前足の上にある前の手と後ろ足の上にある後ろの手を、腰で、前足と十字になるように返す。これで体三面になる。両手の真中に腹がきて、手先と腰腹がしっかり繋がる。③腰腹で手を上げると両手は同時に上がり、手首と肘に同時に着く。
更にまた、体三面をつくることによって、三角・△が気と力を生じるのを実感できるようだ。

「合気道は、大自然の絶対愛を基として、体を△に象り(かたどり)、○を中心に、気により△□の変化と気結び、生産びを身体に現わし、生み出しつつ気魂力を養成し、皆空の心と体を造り出す精妙なる道である。」(合気神髄P53)であるから、先ずは、体を△(体三面)に象り、そして○□を体の現わしていけばいいのだろう。