【第943回】 高齢者病のための合気道の知恵

高齢になると体が動かなくなるし、体調が狂ってくる。若い時には想像ができない事である。若い頃は周りの高齢者のそのような状態を見ているわけだが、自分がそうなるなど思ってもいなかった。しかし、高齢になると自分が体験するようになるし、周りの高齢者も多少の差はあるが、ほぼ全員が高齢者病に掛かっている。高齢者病とは正確な表現ではないが、他の言葉が見つからないのでつかう。ここでの高齢者病とは、高齢になると持つようになる体の不調である。
人は高齢になると大なり小なり高齢者病に陥る。元気な高齢者でも運動したり、サプリメントを使用して元気になろうとするが、あまり上手くいっていないように思う。医者に行っても完全には治らない。

私自身も高齢になって高齢者病になった。私の場合は合気道を続けていたお陰で己の高齢者病を克服したとは言えないが、改善した。
そこで考えたのは、自分の高齢者病の経験と合気道を基に、周りの高齢者が持つことになる高齢者病を合気道の知恵で直せるのではないかということである。大先生は、合気道は健康法であるともいわれているが、この高齢者病に対する健康法でもあるはずであると考えるのである。

そこで高齢者病とそれを直す合気道の知恵を整理し、記してみたいと思う。

合気道家がこのように合気道の知恵で己の高齢者病を直すだけでなく、合気道を知らない高齢者にもこれらの合気道の知恵による対処法を教えてあげればいいだろう。きっと感謝されるはずである。これは愛であり、合気道の目標でもある。合気道は世間にもお役に立つようにしたいものである。