【第900回】 宇宙の法則とは

これまで半世紀以上にわたって合気道の修業をしているが、考えて見ると余り深く考えることもなく、ただがむしゃらにやっていた事がわかるようになった。ここで一度考えて見る必要があるだろう。これも年を取ったせいだろう。
例えば、合気道の修業の目的は宇宙との一体化であり、そのために宇宙の法則に則った技を身につけることだということで技の稽古をやってきたわけである。しかしよく考えて見ると宇宙の法則とは何かということ等よくわかっていなかったのである。その証拠に、大先生が教えておられる宇宙の法則がよく分からない事である。恥ずかしながらそれを分かったように使っていたわけである。

しかしこれまでで分かった確かな事は、宇宙の法則はあるし、その法則に合致しなければいい技づかいは出来ないということである。また、合気道では宇宙の法則を重視しているが、勿論、合気道の別な社会、一般社会にも宇宙の法則があるのである。従って、合気道で宇宙の法則を理解し、身につけるために、所謂、一般的な宇宙の法則を研究し、そして合気道の宇宙の法則と一般的な宇宙の法則を対比したり、結び合わせればいいのではないかと考え、調べてみた。

一般的に宇宙の法則とは、宇宙規模で働く自然の法則と云われ、いろいろな法則があるといわれているようで、調べて見ると次のようなものを見つけた。

等々であるようだが、余り科学的なモノは少なくスピリチャルな法則になっているように思えるので、このままでは合気道に取り入れるのは難しいと思う。

合気道では、「技は、すべて宇宙の法則に合していなければならない。宇宙と結ばれる武を武産の武というのである。武産の武の結びの第一歩はひびきである。五体のひびきの槍を阿吽の力によって、宇宙に拡げるのである。五体のひびきの形に表れるのが「産(むすび)」である。(合気真髄 P86,87)」
合気道では宇宙の法則を技に取り入れなければならないわけだが、まず初めに宇宙のひびきの宇宙の法則を取り入れなければならないのである。宇宙のひびき、つまり宇宙の波動に己も波動を起こし、宇宙の波動と一体化するのである。そしてその結果、攻撃してくる相手と結び、相手を凝結してしまうのである。ここから宇宙の法則、つまり宇宙の働きにはひびき、結び、そして凝結があることがわかる。この宇宙の法則でやれば確かに技は上手くつかえるのである。これからも合気道の教えから多くの宇宙の法則を見つけていくだろう。要は、一般的な宇宙の法則に頼るのではなく、合気道の教えになる宇宙の法則に則っての技づかいがいいということである。