【第896回】 三度の食事への挑戦

これまで何気なくやっていた事を意識したり、努力してやらなくてはならなくなってきた。これが年を取る事だなと実感しているところである。いろいろと次から次に出てくるわけだが、今回はその内の食事について書くことにする。

子供の頃は、いつもお腹がすいている状況なので、時間がくれば食べたし、食事の用意も親がしてくれていたので、後は席について食べればよかった。食事の前には十分体を動かしているので食欲は大いにあった。運動と食欲で健康で元気はつらつの日々を過ごしていた。
大学時代から一人暮らしをしたが、運動と食べることは大事にしていた。只、諸事情で食事を抜くことはあったし、お金が足りず、いつもお腹いっぱい食べることはできなかった。

今は健康と食事の基準を体重に置いている。体重が減れば少し多めに食べるようにしたり、健康状態がよくないと思う場合は大概体重が減っているので体重を増やすようにしてきた。体重は健康と食事のバロメーターであるとなったのである。
高齢になっても若い頃のように空腹感を感じることはなくなってくるようだ。別に一食抜いてもどうということはないので、昼食をよく抜く事になる。若い頃も一食二食抜く事があったが、後で腹が減ったなと思うぐらいで特別の問題はなかった。
しかし、年を取って三度の食事をしっかりとらないと大きなダメージがある事を実感するようになってきた。そのダメージの一つは、体の部位がツルことである。足や手先がつってしまうのである。そしてつる状況で体重を計ると必ず体重は減っているものである。体重が減ると、稽古をして手足がつるだけではなく、体の力が弱くなり、体力も落ちる。

そこで、高齢者になったならば、三度の食事を摂るようにしなければならないという結論に達したわけである。
しかし、これが私の場合は容易ではないのである。毎朝の禊の後の朝食が終わるのが10時、11時であるので、午後3時、4時頃までお腹がすかない。故に昼食は午後3時以降となる。故に、昼食はよく抜いてしまう事になる。
夕食は、稽古の或る夜は10時、11時となるので消化のいいもので栄養のバランスがとれたものを素早くとらなければならない。

喩え、食欲がなくとも、時間がなくとも3食の食事を取ろうと決心したのである。これは挑戦と言ってもいいだろう。技の稽古と変わりない新たな稽古対象である。これまで宇宙との一体化のために技と体に挑戦してきたが、これからはそのためにも三度の食事への挑戦が必須であるということである。