【第727回】 80歳で一人前の大人になるためには

この4月で79歳になる。ここから正念場と思っている。何故なら、前から言っているように、80歳から一人前の大人になる宣言をしているからである。80歳前は、まだまだ”はなったれ小僧“のガキでいいと思ってやってきたが、いよいよそれも年貢の納め時にしなければならないのである。
だから、これからは一人前の大人になるためにはどうすればいいのか、一人前の大人とはどういう人間なのか、その条件は何かなどを考え、一年間でそれらを整理整頓し、そして身に付けていかなければならないことになるわけである。

一人前の大人は、日常生活だけでなく、合気道でもそうなくてはならない。これまでのガキの合気道家から一人前の大人の合気道にならなければならないということである。
有難いことにその基本は分かっている。それは魄の稽古から魂の学びの稽古に変わる事である。少し前からこれの準備に入り、その入り口にあるようなので、80歳からは一人前の大人の合気道が出来るのではないかと希望している。

次の一人前の大人の合気道は、小乗の合気道家ら大乗の合気道に進むことであると考えている。小乗の合気道の目標は、宇宙の営みを形にした合気道の技を身につけて、宇宙と一体化することであり、大乗は地上楽園建設への生成化育のお手伝いである。まずは小乗の合気道をなるべく早く身につけ、そして大乗の合気道への修行に入りたいと思っている。

三つ目は、今までは自分自身のために稽古をしてきたが、80歳以降は自分が身に付けた技、先生方や先輩方から教わった教えを後進や後輩の仲間達に残しておこうと思っている。後進や後輩の仲間達がそれを彼らの後進や後輩の仲間達に残してくれれば、合気道のためにいいはずである。
これに関連して、15年ほど前から論文を書いてきている。毎週4テーマで書いており、これまで700回以上、合計3000編書いているが、これを80歳以降も書き続け、1000回まで頑張りたいと思っている。そしてこれが後進や後輩に役立てばいい。

四つ目は、高齢者になって出来る合気道を若者たちに示し続けたい。高齢にならないと分からない事、出来ない事があることを示し、若者に高齢になって合気道を続ける意味と意欲を持って貰うようにしたいと考えている。

五つ目は、合気道の聖典と考える『武産合気』と『合気神髄』を読みこなし、技で表わすことが出来るようにしたい。両聖典が分からない内は、まだまだ合気道に於いては、はなったれ小僧であると思ってるからである。

後1年、はなったれ小僧を楽しめるが、一人前の大人の合気道への道が待ち構えている。そろそろ緊張々々である。
尚、今回は合気道に的を絞り、日常生活での一人前の大人については書かなかったが、それは別の機会にすることにする。