これまで片手取り呼吸法や正面打ち一教を繰り返し々々稽古してきた。お陰でこれらの技が大分上手く使えるようになっただけでなく、多くの宇宙の法則を身につける事が出来たし、多くの事を学ばせて貰った。
しかしどうしても上手くいかない事があった。手の出し方である。相手が打ってくる手と相手が掴みに来る手に対するこちらの手の出し方である。十分な力が出ずに相手に頑張られたり返されてしまい、技に上手く収まらないのである。相手に頑張られるのは魄の力でやるからである。手を先に動かすのは魄の力になるわけである。
その問題の原因とその解決法が見つかった。まず、その原因は、己の手を先に動かしてしまったことである。端的に云えば、手で技を掛けようと、手から先に動かしてしまったということである。ということは、手は後で動くもので、その先に動くものがあるということである。
それはこれまでやってきたものであった。つまり、腰腹→足→手の順である。先ずは腰腹が動き、次に足が動き、そして最後が手という順なのである。
しかし、これだけではまだ十分な力は生じなく、相手を制するのも難しいのである。この他に何かが必要なのである。
それらも最近身につけてきたものであったのである。
一つは、体の土台を強固にすることである。特に、手の平を頑強にしなければならない。(「思想と技」の第1005回「魄が下、魂が上、魂が魄を導く」)
二つ目は、“あ”から“お”の言霊で体を一つの塊に凝結することである。
この二つの事によって、腰腹→足→手の順で手は最後に動く事になるし、手先からは体のすべての重みが出る事になる。
三つ目は、体が動いて手が動くようになると、体と手は自然で自由に動くようになる。自然、自由とは宇宙の営みと同じで、宇宙との一体化の動きということになる。つまり、体と手は布斗麻邇御霊の水火の形で動く事になるわけである。