人は高齢になると体力は衰え、動作も鈍くなる。相対稽古で若い相手と稽古するとそれがよく分かる。しかし、不思議な事に若い相手にはこちらの体力の衰えは感じられないようなのである。その証拠に、こちらの体力が衰え、動作も鈍くなっているのに、以前と同じように遠慮なく力一杯打ったり、掴んだりしてくるのである。情け容赦なく何とか倒そう、決めようとしてくるのである。私なら、相手が女性や初心者なら手加減しながら稽古するのだが、それがないのである。
高齢者になれば体力は衰えるのだが、若い相手がそれでも挑戦するのは、高齢者には衰える体力以上の何かが高齢者にはあり、それに挑戦してくるような気がする。
高齢者をここでは80才以上の合気道の稽古人・修業者とする。高齢者は長年、合気道を修業しているわけだから、多くの技や術を身につけているわけである。また、宇宙との一体化の修行により、宇宙天地の力を身につけているはずである。これらが高齢者の衰えていく体力を補い、余りあるものがあるはずである。多少腕力がある若者も気力、布斗麻邇御霊の水火、息陰陽、陰陽十字などをつかう高齢者には敵わないことになるのである。
大先生をはじめ、有川定輝先生、塩田剛三養神館館長は高齢になっても年を重ねるに従って上達し、強くなっていかれたのはこの理由であると考える。
高齢になっても年を重ねるに従い上達するのが真の武道、合気道と考え、実践している。宇宙の営みを身につける宇宙との一体化はこのまま継続できるだろう。しかし、そのおお基である体が機能しなければ意味がない。立ち振る舞いの動作である。坐ったり立ち上がったり、歩を進めたりもできなければならない。また、合気道の場合は、受けを取って転がり、立ち上がらなければならない。これができなければ宇宙の技がつかえても意味がなくなるからである。
新しいことを身につける事も大事だが、これまでの基本も大事にして引き続き鍛錬する必要があるということなのである。
実際にやってみると、後ろ受身で倒れ立ち上がるのは大変である。しかしこれが出来なければ先に進めないと思うので挑戦していくつもりである。