【第546回】 世界最高齢のスーパーモデル
死と云うものを意識するようになると、残りの人生をどのように生きればいいのか、また、自分の人生を楽しませてくれた合気道と、今後、どのようにお付き合いをしていけばいいのかを考えるようになる。
そのこともあって、先人たちが、どのように生きてきたのか、どのように考えてきたのかに興味が湧き、とりわけ、自分より長生きされて、世に貢献された方々のことを調べ、当論文に書き残してきたわけである。
これまでは、自分の生き方や考え方、合気道の更なる修業のためには、日本と日本人に頼るのがいいと考え、論文もこれまでそのほとんどが、日本と日本人だったはずである。
しかし、その考えは狭いということを思い知らされることになった。
本日(2016.8.30)の新聞の書籍の広告のところに、世界最高齢のスーパーモデル「ダフネ・セルフ」の『人はいくつになっても、美しい』という本の紹介があり、その各章の見出しの紹介があった。その見出しを見て、私がこれから迎えたいと思っている生き方であると共感した次第であるので、それを紹介する。
尚、彼女は、1928年生まれ。イギリス在住の現役ファッションモデル。夫の死後、70歳でモデル業に復帰。2014年、世界最高齢のスーパーモデルとして、ギネスブックに認定される。
まず、この広告のキャッチフレーズである。
「美しさは心に宿るものです。いつもわくわくすることを心に思い描いて、きらきらした目で世界を見続けていれば、その心の輝きは必ず顔に表れます。(以下略)
以下、各章の見出し・テーマである。( )内は私的コメント:
- 年齢はただの数字。好きなものを前にしたら、年齢なんて関係ない。(合気道の修業に、年齢は関係ないということになる)
- 老いはみんなに訪れるけれど、成長は望む人にのみ訪れる (老いと成長は反比例するのだろう。老いたくなければ、成長すればいい)
- 笑顔はあなたの魅力を引き出してくれる魔法 (笑顔は人をひきつけ、運を呼ぶ。笑顔で生きたいものである。笑顔をつくるためには、感謝の気持ちを持つことである)
- 自分を年寄りだと思わない(自分の歳など忘れるぐらいがいい)
- 誰かが用意した選択ではなく、「自分のため」に自分が選んだ道を(若い内は、これは難しいだろうが、年を取ったら、やろうと思えばできる)
- 正しい姿勢と自信が、あなたと洋服をきれいに見せる(洋服ではなく技だが、 合気道も同じ)
- シワもシミも老いもひっくるめて、この世にあなたはたった一人(老いてますます宇宙の中心に立つ)
- 好奇心は、知恵と幸せをもたらしてくれる(好奇心が無くなったら、ボケるだけ)
- ゆっくりするのは、お墓に入ってからでいい(お墓に入る前にやりたいこと、やるべきことをやっておく)
- 本当に価値があるものはお金では買えない(金のためとか、損得を考えてやっているのは、本当に価値あるものではない)
- 歳を取った自分だからこそ、できることがある(高齢者は、これを若者に示さなければならない。これが老いる価値である)
- 誰よりもあなたのことをわかっているのは、あなた自身(人に分かってもらうのではなく、まずは自分自身に分かってもらうことである)
- 同じ朝はめぐって来ない。毎朝、どきどきしながらカーテンを開ける(宇宙は留まることなく巡っている。地球も自然も春夏秋冬、刻々と巡っている。合気道の技も日々変わっていかなければならない。人も変わっていき、巡っているのである)
等々
これではっきり分かったことは、90歳、100歳生きて活躍される方々は、日本や外国など関係なく、ある共通の道を辿ったり、辿ろうとしているということである。若者には、まだよくわからないだろうが、その若者たちも無意識で求め始めているはずのものである。
年を取ること、少しでも年を取ることの素晴らしさ、楽しみを教えてくれる出会いであった。
Sasaki Aikido Institute © 2006-
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