【第171回】 人生とは自分との戦い
若いうちは毎日を成り行きで、漫然と過ごしがちである。人生の目標はまだはっきりしないし、周りの力が強すぎて思うように出来ないからであろう。50、60歳はまだまだ鼻ったれ小僧と言われる所以である。
70歳近くにもなると、死ということを意識するようになってくるし、生とは何か、人生とはどうあるべきかを考えるようになってくる。そこで、本当の人生を歩めるようになるようだ。
しかし、「人生は100歳からが本番」という人がいる。102歳になる社会福祉法人「しいのみ学園」理事長のf地三郎(しょうちさぶろう)氏が『百菜元気新聞』(2009年7月10日)に紹介されていた。氏は医学と文学の博士であるが、元気はつらつで、我々にも大いに元気を与えてくれる。氏の話の趣旨は、次のようなものであった。
- 人生は100歳から本番
- 生涯現役
- 心はいつも中学3年生
- 科学には限界があるが、愛情には限界がない
- 老感、病感をもつな(駄目だと思ったら駄目になる)
- 独自健康法:
− 寝起きの冷や水
− 棒体操
− 頭の体操には語学
− 食べ物は30回噛む
氏の教えから、年をとっても元気で過ごすためのコツを、次のようにまとめることができるだろう。
まず、考え方であるが、70,80歳で年を取ったと思わないことである。100歳から本番、とまでいかなくとも、100歳ぐらいまでは頑張ろうと思わなくてならないだろう。
また、気持はいつも子供のように、何でも吸収しようとか、何事にも感激するようにしたいものである。
三つ目は、頭と体を鍛えなければならない。これは合気道を続ければよい。但し、稽古は体だけでなく頭を遣うようにしなければならない。合気道だけではなく、それに関係することすべてを研究しなければならない。
四つ目は、健康法である。食べること、飲むことを、自分にあったように注意することも必要であろう。特に食べ物をよく噛むことは大事だろう。
合気道家は稽古が続く内が人生といえるのではないだろうか。少しでも長く稽古を続け、100歳からが本番と言ってみたいものである。人生は自分との戦いである。
参考文献:
『百菜元気新聞』(2009年7月10日) 「これから人生本番」
「しいのみ学園」ホームページ
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