【第534回】
上達の秘訣の基本 その2.「体のつかい方」
今回は、前回の続きで、その2.「体のつかい方」を書く。合気の体が出来てきたならば、今度はその体を、合気の理合いでつかえるように鍛えていかなければならない。合気の理合いとは、宇宙の営みに近づくべく、宇宙の法則に則った動きで、体をつかうことである。
下記に、「体のつかい方」の秘訣の基本とその最適と思われる稽古(○)を書いてみることにする。
- 体を陰陽につかう
1−1 足を左右陰陽に規則的につかう
足が左右、陰陽で規則的につかわれなければ、技は上手く掛からないものである。初めは、右(みぎ)左(ひだり)と意識して足をつかえばいいだろう。
足を左右陰陽に規則的につかうことは、それほど難しいことではない。 しかし、この足づかいができないと、次の手もつかえないことになるから、まずは足を左右陰陽に規則的につかうことを身につけなければならないだろう。
○正面打ち入身投げ
○正面打ち一教
○両肩取り(前、後ろ)
1−2 手も左右陰陽に規則的につかう
足も手と同じように、左右、陰陽で規則的につかわれなければ、技は上手く掛からないものである。
○天地投げ
○正面打ち入身投げ
○両手取り(内回転小手返し、四方投げ)
1−3 肩も左右陰陽に規則的につかう
肩も足と手と同じように、左右、陰陽で規則的につかわれなければ、技は上手く掛からないものである。
○肩取り一教
○肩取り二教
○肩取り呼吸投げ
- 十字につかう
人の体は十字にできているし、十字に機能するようである。縦と横の十字、撞木や六方の十字、そして十字から円が生まれてくる。
2−1 手を十字につかう
○片手取り呼吸法
○交差取り二教
○座技呼吸法
2−2 足も十字に
○正面打ち一教
○四方投げ
2−3 腰も十字につかう
○正面打ち入身投げ
○腰投げ
- 円の動き − 円の動きのめぐり合わせ
手先や腕の縦の円、肩や肩甲骨や胸鎖関節を中心にする、この縦に対する横の円。足の円や腰の円。技はこれらの円の組み合わせで派生するものである。
○片手取り四方投げ
○片手取り呼吸法
○交差取り二教
- その他
4−1 接点を動かさない
接点を押したり、引いたり動かすと、技にならない。接点は支点であり、支点は動かさず、支点の対象をつかわなければならない。
○正面打ち入身投げ
○正面打ち一教
○片手取り呼吸法
4−2 手は正中線上に置き、動かす
技を掛ける手を正中線から外して置いたり、使うと技にならないし、相手にスキを与えることにもなるから、そうならないように用心しなければならない。
○片手取り呼吸法
○正面打ち入身投げ
○半身半立四方投げ
尚、最適な稽古法の技(形)は人によって違うだろうから、自分に合ったものを見つけてやればいいだろう。
次回は、その3.「息づかい」について書くことにする。
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