われわれ一般人は、地球の表面である陸地に住んで活動しているが、地球には陸地だけではなく、海や山もある。人間というのは、好奇心のある知りたがり屋のようで、陸を知ると山や海も知りたくなるようだ。特におもしろいのは、機械や器具を使わないか、最小限の装備で、極力自分の力で挑戦する場合である。
典型的な挑戦としては、高い山を酸素ボンベなしで登山することや、ボンベなしで深海に潜るフリーダイバーであろう。フリーダイバーは深みを目指し、登山家は高みを目指す違いはあるが、彼等は我々が合気道で求めているのと同じものを求めたり、体験しているのではないかと思われるのである。
フリーダイバー達は、ボンベなしで到達できる限界深度と思われるグランブルーの世界を目指しているが、その世界に入るのは容易ではなく、また、その世界に入ると、日常とは気持ちや考えが違ってくるという。
100mまで潜れるフリーダイバーは、世界に10数人しかいないということだ。彼らは体を鍛え、そして体や息の使い方にも細心の注意をしているようである。
日本にもひとり、100m以上を潜れるプロのフリーダイバーがいる。篠宮龍三氏である。(写真)彼の記録は115mである(2010年)。