【第29回】 合気道モード

ほとんどの稽古人は、精々週2−3回の稽古が限度であろう。それ以上の稽古は時間的に、また、体力的に難しいだろう。

しかし、稽古は本来、毎日やるものである。一日でもやらないと筋肉も衰えるだろうし、勘も鈍くなる。また、2〜3日休んで道場で稽古をすると、体や気持ちが合気道的に機能するまで時間がかかり、稽古が終わる頃にやっと勘がもどるほどである。

これでは稽古をやってもつまらないだろうし、非効率でもあるので、道場に入る前に合気道モードにしておく必要がある。そのためには、まず、道場以外で自主稽古をすべきである。それには、体操、ストレッチ、体さばき、四股、剣や杖などがある。自分でプログラムを組み、それを毎日続けてやるのがいい。同じことを毎日やれば、自然とそれをよくしよう、上手くやろうと思うし、そしてそこから得たものを道場での稽古に応用できるようにもなる。
つまり、自主稽古と道場の稽古が結びつき、自主稽古で合気道モードになるのである。

また、合気道モードにするには、時間のあるかぎり、出来ない技、上手くいかない動きのことや合気道の哲学、宇宙観など考えるのもいいし、本を読んだり、インターネットで調べるのもいい。イメージトレーニングはいつでも、どこでも出来る。

合気道モードを濃くするためには、いつも言っているように、儀式が大切である。中でも、道場に入るときの礼と師範や稽古相手に対する礼であろう。
いつでも全開で稽古に入れるよう、濃い合気道モードにしておこう。