【第242回】 自分を形にはめ込んでいく

合気道は技を練磨して精進していく道であるが、この「技」というものがよくわかっていないと、練磨できないし、合気道の精進もできないことになろう。
技を練磨するということだから、形をなぞればいいというものでもないはずだ。終わりがない、超時間かけて練り磨くものであるはずである。初心者が2、3年で覚えるような技の型ではないはずである。

技とは、開祖によれば、宇宙の営みを形にしたものであり、宇宙の条理、宇宙の法則に則ったものだといわれる。ということは一つだけということはなく、無数にあるはずである。私はその一つ一つの技を「技要因」または「技要素」といっている。
技の鍛錬とは、この「技要因」または「技要素」を見つけ、それを身につけいくことと考える。

「技要因」または「技要素」には、例えば、

等など無数にあると考える。

これらは宇宙の技であり、宇宙の営みの形であるが、それを術(テクニック)として自分に取り入れるのではなく、自分がその技の形の中に入り込んでいかなければならない。自分をその形にはめ込んでいくことを通して、宇宙の営みを自分に取り入れていき、宇宙と一体化していくことが出来るというからである。
合気道の最終目標は、宇宙との一体化といわれるわけだから、自分をその形にはめ込んでいくことは道に則っているはずである。