【第9回】 手足を左右交互に

稽古で相手に技をかけているとき、上手くいかないときが往々にしてある。相手に頑張られると動けなくなったり、相手をつき離してしまって技がかからなくなったりするときなどである。
そのような問題が起きるのはいろいろな原因があるわけであるが、その原因を見つけて、その解決策を技にするのが稽古である。

上手くいかない原因は、人によって、相手によって、技によって、場合によってなど千差万別であるが、いくつかの共通原因がある。この共通原因は逆にいうならば、合気道の稽古における原理原則ともいえるだろう。

原理原則はいくつかあるが、その内の一つに「手足を規則正しく交互に使う」ことがある。働く手や足を「陽」で控の手と足を「陰」とすると、「陽」から「陰」、「陰」から「陽」へと交互にスムーズに使うと技をかけやすくなる。技がかからないで止まってしまう時とは、往々にして「陽」が「陰」にかわるところを「陽」でやったり、「陽」「陰」「陽」・・・のところを「陽」「陽」・・・でやっている時である。「規則正しく使う」とは、一言でいえば「自然」に動くということであり、また呼吸に合わせて動くことでもある。

技が上手くいかなかったら、足の使い方、特に重心の移動を右、左、右または左、右、左・・・と意識してやってみるといいのではないか。もちろん重心を置く足の側の手が、足と共に「陽」で働かなければならないし、手も左右交互に「陰」「陽」で使わなければ上手くできない。
もっともまずいのは、足が居ついてしまうことである。足が居ついて手だけでやると、相手ともろにぶつかってしまい、それに対して相当な力を必要とすることになって苦労する。
手足を規則正しく交互に使ってみよう。