【第236回】 第四の手

大きい意味での手は、7つの関節がある。そのうち、合気道の技の練磨で遣う関節部位は、手首、肘、肩、胸鎖関節である。つまり、主に遣われる手は、指先から手首までの手、これを第一の手とすると、手首から肘までが第二の手、肘から肩までが第三の手、肩から胸鎖関節までを第四の手の4つの手ということになる。

技がうまく掛かるためには、これらの手ができていなければならないことと、それらを上手く機能させなければならない。手ができているということは、多少の負荷が掛かってもスムーズに動くことである。そのためにはそれぞれの関節のカスが取れ、柔軟な筋肉になっていなければならない。

うまく機能するとは、第一から第四までの各々の手だけでも技が掛かるようにもなるし、また第一から第四までの、隣同志の関節が十字に動く手を一本の手としても遣われるということである。

第一から第三までの各々の手で技を掛けるのも容易ではないが、第一から第四の手を一本の手として遣うのも、はじめの内はよほど意識してやらないと遣えないものだ。だが、それをしないために肩を痛めてしまうことにもなる。肩を痛めるということは、第三の手を無理して遣うために、肩関節を痛めることである。その原因は、肩が貫けていないから肩に負担がかかるからである。 肩が抜けないから、第四の手が遣えないのである。肩を貫いて、この第四の手を遣うことは、非常に重要である。

肩を貫いて第四の手を遣うための稽古を、故有川師範が2001年9月12日の時間でやられていたので、思い出しながらここに紹介する。