合気道は十字道ともいわれるように、合気道の技は十字で掛けるように出来ているし、そのため体も十字に遣わなければならないことになる。合気道の技は宇宙の営みを形にしたものであると言われているし、宇宙の営みの下で創られた人の体も、螺旋で機能するよう十字で遣わなければならないはずである。
人の体は、前にも書いたように、十字で構成されているといえよう。踵を揃えて立った姿勢を上から見れば、両肩の横の線とそして背・腹と踵・爪先の縦の線は十字になっている。手も、手首と肘、肘と上腕、上腕と肩が十字で機能し合うように出来ている。
十字に機能するということは円になり、螺旋になるということである。円に十のである。手首を横、縦、横、縦・・・と動かしていけば○(円)になる。
ただの○(円)では技にならない。宇宙には、球があっても、ただの○(円)というものはないはずである。○(円)は螺旋でなければならないはずである。
○(円)が螺旋になるためには、○(円)が中心を持っていることと、回りながら上下、または左右に動くことが必要であろう。
この十字の動きが○(円)となり螺旋にならなければならいことがよく分かる技に「天地投げ」がある。「天地投げ」は、技の形をなぞったり、または相手が受けを取ってくれれば、初心者でも容易にできる技であるが、相手に少しでも頑張られると、相手が倒れず、なかなか難しい技でもある。手足と体を陰陽に遣えないとか、入身と転換が出来なければ、そのレベルでしか出来ないわけであるが、それ以外にも、体を十字に遣わなければ出来ないものである。
一番問題になるところは、自分の腕が相手の首にぶつかってしまい、相手と争い、相手を倒すことが出来ないことであろう。これは縦横十字の遣い方の順序を間違っているからといえよう。
「天地投げ」の十字の体の遣い方は、