【第1回】 関節をバラバラに動くようにする

体をつくる上で重要な働きをするためのものとしては、頭の先端から手足の末端まで多くの柔軟に曲がるべき関節部や曲折部があげられる。まずこの全ての関節が自由に機能するように、稽古をしなければならない。
主な関節及び重要な部位としては、

腕: 指、手首、肘(小手)、肩、肩甲骨
足: 指、足首、膝、股関節
頭: 首

また、肩、胸、腹、背中、腰などもあげられる。

これらの部分を鍛えるには、一人稽古と、道場での技を通した稽古法がある。どちらが大切かというと、両方とも大切である。どっちの片方が欠けても体をつくるのは難しいだろう。
また、鍛え方としては、相手に技をかけろことで自分を鍛えると共に、受けをとりながら鍛えることもできる。しかし、かけるときでも受けるときでもよほど意識して真剣にやらないと、この稽古にはならないことになってします。 合気道の技は、このようなすべての部位を別々に機能するように鍛え、さらにすべてを統合して使いきらなければ技は効かないのである。各部位が上手く使えなければ、技はきかない。そのためには、各部位をばらばらに分離して鍛え、それからそれを統合して使う鍛錬をしなければならない。

特に、末端を鍛えるのが重要である。人は概して末端を使わず、その中間にある関節や部位を使う傾向にある。そうすると真の力が出せず、所謂、腕力でやらざるをえなくなる。 関節や重要な部位の鍛錬法を示してみよう。

腕側の7つの節を一つ一つバラバラに動くように鍛錬する。指の3節と手首は90度までまがるようにする。特に第1関節が硬いので念入りに鍛える必要がある。自然に90度まで曲がればいいが(親指は曲がり易い)、曲がり難いときは第2指関節を他方の指で押さえて動かす訓練を暇を見つけてやるといい。手首は合気道の準備運動のときにやるように手の甲をつかんで押さえたり、手首を鍛える腕立て運動もいい。肘は内側には曲がり易いので、外側に反る鍛錬をすると肘の柔軟性が増す。肩も前後左右滑らかに動くようにする。
問題は肩の次の肩甲骨とそれを動かす三角筋、菱形筋であるが、この鍛え方は次回にゆずる。いずれにしても末端(指先と肩甲骨)を鍛えるのが大切である。また、逆の方向に伸ばすことも忘れないようにしよう。