【第268回】 宇宙の法則「真理」

合気道は技を練磨して精進する武道であるが、合気道で鍛錬している技は宇宙の法則に則っとったもので、宇宙の営みを形したものと言われている。

開祖は「技はすべて宇宙の法則に合わしていなければならない」とも言われているのであるから、技を極めていくためには、この「宇宙の法則」とは何か、どういうものであるのかを知らなければならないだろう。

合気道とは何か、とかどうあるべきものなのかは、種々多様に定義されているが、合気道はそれだけ多種多様な面をもった底深いということである。その一つに、「合気道は真理の道」である、と開祖は言われている。

そしてまた、「合気道の鍛錬は真理の鍛錬であって、神業を生じるのである」とも言われる。つまり、「あらゆる真理を悉く身に行じてゆくのが合気道である」(「武産合気」)のである。

従って、「宇宙の法則」とは、一言でいえば「真理」ということになるだろうし、又は「条理」とも言えよう。つまり、「宇宙の法則」とは、宇宙万有の真理であり、条理ということになるだろう。

宇宙万有の真理を、人は神とも呼んでいると思うが、真理の鍛錬をする合気道は神業の鍛錬ということになり、これを実践していくことによって、宇宙の力が加わり、そして終には、宇宙そのものと一致することになるだろうと修業しているのが、合気道ということになるだろう。

合気道は「宇宙の営みの御姿、御振舞いの万有万神の条理を明示する大律法であり、己の心と肉体を宇宙万有の活動と調和させて鍛錬していくもの」であり、合気道を体得したならば、宇宙の条理がわかり、また、自己を知り、分かってくるとことになるのである。