毎朝、朝日新聞に目を通している。ほとんどのニュースは前日のテレビ放送で知っているし、スポーツ欄には興味がないので見終わるのは早い。しかし必ず見るのは「天声人語」で、声を出して読んでいる。ボケ予防である。もう一つ見ているのがある。それは書籍の紹介と広告である。興味があるものは切り抜き、購入することにしている。
今回それで見つけたのが科学雑誌『Newton』の広告であった。そこに“宇宙は数学でできている”とあり、それが目に止まり、興味を持ったのである。合気道も人体も、宇宙でできていると教わっているからである。
そこでこの宇宙は数学でできているの“数学”を“合気道”に入れ替えてみれば、宇宙と合気道の関係がよりよく見えるのではないかと思ったのである。
早速購入して読んでみた。予測した通り、宇宙は合気道に近いモノであることを実感した。
このNewtonに載った数学理論を引用し、それと合気道の宇宙観、そしてその両者の関係を調べてみることにする。【N】はNewton 【合】は合気道的解釈
まず、監修者(村山斎教授)の序文である。
【N】「宇宙という書物は数学という言葉で書かれている」は、ガリレオ・ガリレイの有名な言葉である。まるで、宇宙そのものが数式に支配されているかのようです。しかし近年では、数学は宇宙を理解するたんなる道具ではなく、もしかしたら数学が宇宙そのものかもしれないーーそんな大胆な仮説も提唱されています。
【合】合気道(合気の道)は、宇宙創造・生成化育に則った体と技を錬磨するので、上記の文の“数学”を“合気道”に変えれば、合気道は宇宙を理解するための道具であるともいえるし、合気道が宇宙そのものであるのかも知れないとなる。
【N】古代ギリシャの哲学者ピタゴラスと彼の弟子たちは「万物は数である」ととなえ、宇宙のあらゆる現象は数学で説明できると考えたとある。
【合】これも数学を合気道に変えれば、「万物は合気道である」、宇宙のあらゆる現象は合気道で説明できるとなる。これは合気道の創始者の植芝盛平翁が言われていたことであり、合気道の目指していることである。
【N】ドイツの天文学者ケプラーはプラトンの思想の影響を受け、宇宙の本質は幾何学であると考えた。そして五つの「正多面体」を組み合わせて、宇宙のモデルをつくった。
【合】合気道の宇宙のモデルは、例えば布斗麻邇御霊のである。
【N】先述のガリレオの「宇宙という書物は数学という言葉で書かれている」には続きがあり、それは「そしてその文字は三角形であり、円である、その他の幾何学図形である」といい、ガリレオは数学の中でもとくに幾何学を重視した。著書『新科学対話』でも、ガリレオは物体の運動法則を数式ではなく、主に図形をつかって幾何学的に説明した。
【合】合気道では、「生産霊(△)足産霊(○)玉留霊(□)の三元がととのうと宇宙全体の姿が出来上がる」のと合致する。
【N】ドイツ生まれの理論物理学者アインシュタインな、「宇宙で最も理解できないことは、それが理解可能であるということである」と、数学によって宇宙が理解できる不思議さをいった有名な言葉である。
【合】これは、合気道によっても宇宙が理解できるという不思議さであるということになるだろう。何故なのかはわからないが、合気道によって宇宙は理解できるという事であるわけである。
【N】フランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスは、「もしもある瞬間におけるすべての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしそれらのデータを解析できるだけの能力をもつ知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなく、その目には未来もすべて見えているだろう」と提唱した。
【合】これは合気道の開祖植芝盛平翁の摩訶不思議な数々の出来事である。人の明日を予言したり、ピストルの弾をかわしたりなど、合気道の極限の能力の技の結果だったということであると考える。
【N】仮に人類が地球外知的生命体と出会ったとき、彼らと数学を使って会話することはできるのでしょうか?村山教授は、数学は宇宙の普遍的な言語で、ピタゴラスの定理などの基本的な数学の概念や理論は、人類と宇宙人でおそらく共通だと考えます。仮にそうだとすれば、図形などを使うことで、宇宙人と簡単な会話をすることはできるかもしれません。
【合】数学を合気道に変えると、宇宙人と合気道で会話ができるということになるが、出来ると考える。未熟な自分自身が今宇宙人と遭遇してすぐに会話はできないだろうが、完璧な合気道を身につけた植芝盛平翁開祖や名人、達人たちなら合気道的な会話ができるはずである。愛と気の交流である。
こうしてみてみると、数学は宇宙を知る上で大事である事がわかったが、お陰で合気道の役割の重要さが再確認された。やる事、知る事はまだまだあるようだ。少しでも長生きしなければならないようだ。