これまでも合気の技は円の動きの巡り合わせであると書いてきた。この教えに従って、円で五体と技をつかって稽古してきたが、確かに、円の動きの組み合わせで合気の技を掛けなければならないし、円の動きの巡り合わせは必須であると確認できた次第である。
まず、円の動きの巡り合わせの意味を確認する。
円の動きとは円で動く事である。円とは動きの始まる点に円く戻ってくる軌跡と考える。円は無数の形がある。円は基本的に、出発点と到着点が重なるが、到達点に至らずその軌跡が途中で止まることもある。しかし、その軌跡は目には見えないが到達点と結んでの円にならなければならない。
次に、巡り合わせとは、円の動きが五体のほうぼうにあり、その円の動きが共同で働くことによって技になるということである。
只、注意しなければならない事がある。円、円の動きには縦と横があるということである。故に、技は横の円の動きと縦の円の動きの組み合わせでつかわなければならないことになる。巡り合わせである。
横の円とは、手の場合、手首を支点とした手先の方向に対して横の動き、肘を支点、肩を支点とした横の動きである。これは初心者でも使っている円である。
これに対して縦の円とは、手先方向に対して手先、腕、二の腕を縦に十字に返す動きである。これは初心者にはなかなか気づかない円である。
五体の各所で横の円と縦の円の動きがあり、その組み合わせと連動で技が成り立つわけである。
ここまでは五体の円の動き中心だったが、円の動きの技について記す。
合気の技をつかうに際して重要な事は、技を止めない、切らない事である。軌跡を切らないで収める事である。
そのためには、円の軌跡に技を組み込んでやらなければならない。円は自由であり、大きな円にも小さな円にもなる。更に、円は直線にもなる。(下図)
円を最小限に狭めたものが直線になる。合気の動き、技には直線の動きはないはずである。何故ならば、直線の動きは必ずどこかで切れるからである。円の直線であれば出発点へ戻ってくるので切れる事はない。
今回の武の円は五体の円であり、五体の円の動きの巡り合わせであったが、大先生は更なる円を教えておられるようで、それも円の動きの巡り合わせに加えなければならないようだ。それは魂の円である。研究して後日、記すことにする。