【第986回】 伊予の二名島と大八島國

布斗麻邇御霊の水火で技を使うようにしている。合気道の技はこれでやらなければならないと確信した。お陰で大分上手くいくようになったが二つの御霊が上手く使えないでいた。である。これで技と体を上手く使えず十分な力が発揮できず、相手に押し返されたり抑えられてしまうのである。
そこで原点に戻って布斗麻邇御霊のの意味おさらいしてみた。

まず、である。は伊邪那岐神の御霊と伊邪那美神の御霊でできる。腰腹を横に十字に返し、そして体と手を縦に下すとができると記してきた。伊邪那岐神と伊邪那美神が伊予の二名島を産むのは分かったが、の実感がなかったのである。
『大本言霊学』には、「此島このしま(伊予の二名島)身一而有面四毎面有名みひとつにしてめんよっつありめんごとになありといふはたま御像みかたちにして是の如くもやいひて四つの形をなすと云う傳なり。是を伊予いよ土佐とさあわ讃岐さぬきの國を借て名とす。息出る時は四つの形をなすと云ふ傳なり。」
つまり、は四つの形をなしていなければならないということである。これまで腰腹を前足方向に対して十字(直角)になるまで返さなければならないと言ってきたのは、この四つ(の国)をつくるためだったわけである。ということはこれまで正確な四つの国がつくられていなかったということになる。これが上手くいかなかった原因ということになる。確かに、ここで四つの国が出来ると大きな力が湧き上がり、次のに絡みつく。 図にすると下記のようになる。

次にである。古典には次のように記されている。「此御霊(大八島國)は出息の御タマと入息の御タマとクミて呼吸をなす。其クミたる形是の如し則ち大八島なり。」
は、合気道の技を収める際の御霊であり、言霊は“い”である。剣でも振り下ろす際は“えい”である。これまでは技を収める時や剣を振り下ろす際、腹と胸の息を吐いて収めていたがこれは違っていたことになる。
は腹で息を出しながら、胸で息を引いて技を収め、剣を切り結ぶのである。腹が萎み、胸が拡がることになり、武道として美しく、強靭な姿になるのである。これまでの腹も胸も絞ってしまうのとは大きな違いなのである。
その理想的な姿の写真を掲す。での美しく強靭な大先生の姿である。
伊予の二名島と大八島國が大分わかったことにより、技づかいも大いに改善されるものと期待している次第である。

参考文献 『大本言霊学』出口王仁三郎著