70歳を過ぎた頃から体も頭もそれまでのように働らかなくなってきた。思うように走れないし、歩けない。頭もボーとしたり、体に指令を出しても不完全なのか体は正確に反応せず、頭も体もふらつくようになったのである。
これは不味いとランニングや筋トレや山登りなどやってみたが効果はなかった。合気道の稽古を続けていたが、体は思うように動かなくなったし、頭のふらつきも出てきた。そのため前受身は取れなくなった。
それから10年ほど経った今現在であるが、それらの問題が解消されつつあり、日々快方に向かっている。まるで生まれ変わっているようである。そして分かった事があるのでそれを記してみたいと思う。合気道的な見方と考え方であるが、門外漢の一般人にも活用できるはずである。
まず、頭も体も働かくなったことであるが、これを一般的に老化というのだろうが、合気道的に見れば頭と体の死と考える。しかし本当の死ではない。まだ何かが生きて働いているからである。それは合気道で云う気であり魂や霊である。これらが生き、働いているかぎり人は死人と認められないのである。しかし、一度死んだと思ったらいい。そうでないとここから脱却できないからである。
頭と体が元気に働いていた頃は若かった頃である。合気道で云う、目に見える世界、物質・力優先の魄の世界・顕界に生きていたといことである。つまり老化とは、年を取って魄の世界での、魄の頭と体が死んだという事だと考える。そして頭も体も元気を取り戻したという事は、一度死んだ頭と体の再生ということである。再生したのは目に見えない世界である幽界である。幽界とは合気道での気の次元の世界である。頭も体も気や目に見えない何ものかで働くようになる次元である。
要は、呆けて、機能不全に陥った頭と体をその何ものかや気によって再生したということである。生きかえったということ、生まれ変わったということにもなる。
この再生をどのようにしたのかを合気道的に説明する。
前にも書いたが、起床に際し起き上がると頭がふらついて起きるのが苦痛だったが、それを直したのが天と地との一体化であった。気(息)を右に螺旋で天に結び、左に螺旋で地に下ろし、右螺旋でそれを腹に上げると頭も体もしゃんとしふら付かなくなるのである。これは天地と己を気で結び一体化するということである。ここから人は天地と仲よくしなければならない事を教えて貰う事になった。合気道ではこれを宇宙天地との一体化であるといい、これが合気道の目標(小乗)となっている。宇宙天地と一緒に生きていくということである。若い頃には考えもしなかったことである。
天地と仲良くなるとか宇宙との一体化とはどのようなことなのかどうするのかである。大きく二つあるようである。
一つは、宇宙天地の自然からエネルギーを貰う事である。早朝のお日様や空気、海や山、木々や草花などからエネルギ(気)を頂くのである。そこから生命力を頂くのである。有川定輝先生は生命力を気といわれていた。見ても聞いて(水や波の音)も気を感じるはずである。
私の場合は、毎朝の禊を窓を開けてやっているが、目の前に林があり、お日様が上がる理想的な環境にある。小鳥も集まり鳴きあっている、小さいながらの自然である(写真)。ここからエネルギーを貰っていることは実感出来るし、お陰で元気になっている事は確かである。はじめは寒い朝など寒いなどと嫌がっていたが、今では寒かろうが暑かろうが朝の霊気を吸う楽しさと有難さが優先している。
1)歩行では足を地に下ろす際は息を吐き(水)、その足を息を引いて上げ(火)、反対側の足を息を吐いて下ろす(水)・・・。布斗麻邇御霊(正確には布斗麻邇御霊より割れ別れたる水火)で足(体)をつかうのである。お陰で段々上手く歩けるようになったし、足に筋肉がつき張ってきたようで気持ちがいい。高齢者が歩けなくなってくるのはこの水火の機能が働かなくなるからである。また歩けなくなるから筋肉も衰えるのである。
2)布斗麻邇御霊の水火で全身に気を流し、活性化することが出来る。言霊アオウエイで天から地に気を下ろし、足→腹→胸→頭と気を流すのである。足、腹、胸、頭が活性化し体は頑強になり、頭もしっかりする。因みに布斗麻邇御霊の最後の御霊はであるが、この御霊は頭に流れると実感している。故に、頭にふらつき等の不具合がある場合は、布斗麻邇御霊の水火で気を頭に流し、満たせばいいだろう。また、布斗麻邇御霊及びその割れ別れた水火によって、不具合の箇所や凝りかたまった箇所に気を送れば再生、改善されるはずである。例えば、開脚運動である。高齢になればどんどん体が固くなるので体を床に着けるのは難しくなる。しかし頭を床まで下ろす方法はある。それが布斗麻邇御霊の形と息でやることである。恐らくこれが唯一の方法と考える。
老化からの脱却は若い頃の顕界での方法ではなく、幽界での手段をつかわなければならないと考える。これが健康長寿、そして健康合気道に繋がっていくのだと考える。