「修業方法を一言すれば、武は体の変化の極まりなき栄えの道ならば、・・・」(合気神髄 P.159)とあるように、体を極まりなく鍛え、働いて貰えるようにしなければならない。両手、両足、頭などの五体だけでなく、手足の指先から頭のてっぺんまで、すべての体の部位を余すことなくつかえるように鍛えなければならないということである。
従って、これも終わりのない稽古となるわけである。
手足のつかい方、頭のつかい方はこれまで研究し、技に取り入れてきた。また、最近では手の指の修行にも入っていた。親指を体とし、手刀部である小指と薬指を用につかう事である。
しかし、手の指には更なる働きがあり、更なる指づかいをしなければならないことが分かってきたのである。
まず、人差し指である。これは前に書いたが、人を指す指である。つまり、己が進む対象を指し示す指である。人差し指の方向がしっかり定まらなければ手も体も前に進めないことになる。その好例を下の写真で示す。有川定輝先生の人差し指のつかい方である。
次の大先生の中指と有川先生の中指が一本の手をつくっているのがよくわかるはずである。
この問題を解決する方法は合気道の基本である十字である。