【第977回】 つながり

NHK総合の番組「あしたが変わるトリセツショー」(2024.12.26)で、北海道から沖縄まで日本各地の元気な100歳100人を徹底調査し、健康長寿の三つのポイントを公開した。一つ目は「炎症老化」を抑える、二つ目は「ちょこ活」、三つ目は「つながり」であるという。
この三つのポイントを簡単に説明する。
「炎症老化」を抑える「炎症老化」とは、加齢に伴って起こる慢性的な低悪性度炎症。臓器、血液、免疫、皮膚、細胞等が炎症を起こし老化することである。番組では、奄美群島の伝統的な食文化が「炎症老化」を抑える効果を持つと紹介し、臓器の老化や病気予防に役立つ島の食材の秘密に迫っていた。
「ちょこ活」とは、短時間の運動をこまめに実践すること。家事をしたり、掃除をしたりするのも「ちょこ活」であるし、その合間に屈伸運動をするのも「ちょこ活」であるという。
さて、三つ目のポイント「つながり」であるが、番組はこれこそが究極の健康法であるというのである。友達の数で寿命が決まるというのである。つながりが少ないと死亡率が2倍にあるというのである。

ここで自身のことをこの三つのポイントに当てはめてみる。まだ83歳で100歳の方達と比べればまだ若造だが、当てはまるようである。合気道のお蔭である。合気道を修業しているお陰で、「炎症老化」は抑えていると実感するのである。汗をかくだけでなく、気によって頭のてっぺんから手足の末端までの血液、肉、骨に気を流し禊ぐことによって炎症老化を抑えていると感じるのである。
道場稽古では力一杯の激しい運動をするが、年を取ってきたら常に力一杯やり続ける事はできない。精々一時間の稽古時間で1,2分の集中である。後は「ちょこ活」である。道場の外では当然「ちょこ活」になる。なるべく動くようにし、「ちょこ活」をしていくつもりである。

さて、究極の健康法であるという「つながり」である。年を取ってくると知人、友人、親戚とのつながりはどんどんなくなってくる。番組の「つながり」の法則によれば、自身にそろそろ寿命が来てもおかしくないわけだが、自身ではそんな気がさらさらしない。逆に「つながり」がますます増えるように思うし、もう少し健康長生きするように感じるのである。その理由は次の通りである。
100歳以上の健康長寿の方々は子供、孫、ひ孫、玄孫・・や友人、知人や親せき等多くの人とのつながりがあるようである。沖縄の健康長寿の方の報道を見ているとよくわかる。このような光景から「つながり」が健康長寿にしていることが実感できる。

しかし、自身はそんな状況にはない。しかし、前述のように「つながり」があるのである。更に言えば、その沖縄の健康長寿の「つながり」よりも多くの「つながり」を持っているかもしれないし、これから持つようになると思っているのである。
人の「つながり」には限界があるが、自身の「つながり」には限界がなく、いくらでも「つながり」続ける事ができるからである。
これも合気道を修業しているお陰である。つまり、「つながる」のは、人だけではなく、自然であり宇宙であり、神なのである。山川草木禽獣魚虫類、諸神諸仏とつながっていくのである。特に、神様は八百万の神と沢山居られるわけだから「つながる」数に限りがない。

神様に「つながる」ために、どこの神社であれ、どのような神様であれ、お参りをすればいい。御利益があるとか、霊験あらたかとかなど関係なく、通りかかった神社でお参りするのである。忙しければ頭を下げてご挨拶をすればいい。これからもよろしくとお願いすればいい。お願いが叶えば、御礼参りをして感謝すればいい。これもつながり」である。
また、仏様も神様と同じようにつなげればいい。

山川草木禽獣魚虫類の内、草木、山川と「つながる」のはそれほど難しくないが、禽獣魚虫類と「つながる」は容易ではないようだ。しかし、不可能ではないだろう。大先生は熊とも仲よくなり、熊(獣)ともつながられたし、私自身はごきぶりや蜘蛛(虫)とも友達になりつながっていた。いずれ禽、虫、獣とも「つながる」ようになりたいと願っているところである。
そうなれば健康長寿ということになるだろう。これは子供のころから憧れていた仙人という事ではないのだろうか。子供の頃の夢が叶えばいい。