【第976回】 手と腰と足の一致で何がどうなり、どうする?

第974回は「手は宇宙身心一致の働きと化さなければならない」と題し、手、足、腰の一致で技をつかわなければならないと書いた。これは合気道を精進する上でやらなければならない大事なことであるという事である。大先生が見つけられ教えておられることなので不可欠な事になる。本来、合気道家は自分でこのような条理・法則を見つけなければならないわけだが、我々凡人にはほぼ不可能であろう。これだけでも大先生の偉大さが分かるし、感謝しなければならないだろう。
しかし、大先生は手、足、腰の一致でどうなるのか、どのようにすれば手、足、腰の一致ができるかなどは教えて下さっていない。ここからは各自で考えろということだろう。

手、足、腰の一致で技をつかって稽古をしていくと、これまでになかったような技がつかえたり、また、手、足、腰の一致は必須であると自覚するようになる。更に、手、足、腰の一致で技や体がどうなるのかが確認できるようになる。体が一つに動くので、動きと力に無駄がなく、強力な力が出、動きも美しくなると自覚できるのである。それは前回の綺麗どころで紹介した通りである。
そこで次に、そのために手と腰と足の一致をどうすればいいのかを考えなければならない事になる。

これまでに考えた事、実行していることは次の通りである。
手、足、腰の一致のために手、足、腰を同時に一緒につかうのは難しいので、まず二つずつの一致から始める。足と腰、手と足の一致である

足と腰の一致
 足底:   踵 → 小指球 → 母指球 → 他方の踵 ・・・
 腰 :   腰がこの上に腰が載って移動する

 腰は踵と一緒に地に着き→腰は小指球→母指球に移動
 母指球で地に下り → 他方の踵の移動し地に下りる
要は、足底と腰は一体となって動くわけで、これが足と腰の一致と考える。
この足と腰の一致が実感しやすいのは四股踏みである。

次は手と足の一致
 手と足の一致も足と腰の一致と同じである。
 足底:  踵  → 小指球 → 母指球 → 他方の踵 ・・・
 手掌:  掌底 → 小指球 → 母指球 → 他方の掌底 ・・・
と、掌底が足底と一緒に動くのである。因みに、これで気がつくのは足の踵がしっかり地に落ちなければならないわけだから、掌底にもしっかり働いて貰わなければならないということである。

この手と足の一致と足と腰の一致を更に一致させれば手、足、腰の一致になるわけであるが、これだけでは手、足、腰の一致はなかなか難しい。
つまり大事な要件の支援が必要なのである。それは宇宙の営みである。
それは水火である。水火の中で手、足、腰の一致ができるのである。細かい要件もあるだろうが、まずは水火と一致し、手、足、腰と水火の一致でやることである。