布斗麻邇御霊と“あおうえい”の言霊で技をつかうように努めている。お蔭様で、布斗麻邇御霊の最後の二つの御霊の生み方、つかい方も分かってきたので、これまでの五つの御霊と合わせてつかえるようになった。これまでの御霊とは、である。は天地を結び、△で気を生む。技を掛ける前に働いてもらう御霊である。これに対応する言霊は“あ”“お”である。は伊邪那岐、伊邪那美がつくる伊予の二名島であるが、腹中を鍛える御霊である。この言霊は“う”である。“う”の一つの言霊で三つの御霊に働いてもらうのである。“う”で腹中を横に拡げ、引き続き“う”で腹中を縦に絞る。腹中のの━と|は気であるから気を横に拡げ、そして気を縦に絞り込んでいる事になる。で気がしっかり地に下りるとが合わさり十字のになる。更に引き続きの“う”でこのが腹から胸に自然と上がってくる。“う”はこのように複雑なので、身に着くまでに時間がかかってしまったのである。
ここまではこれまで書いてきた事だし、技にも取り入れた。お陰でお腹は大分鍛えられた。息と気で腹中を膨らませ、絞ることによって、強靭で弾力性のある腹が出来たわけである。
ここからは胸を鍛える事になる。
が胸中に上がってくる。息は自然とこれまでの“う”で吐いていた息が、“え”となり、引く息となる。その御霊がである。これはこれまでも分かっていたし、技でつかう事もできたが、がにどのようにっ結びつくのかが分かっていなかったし、気にしていなかったのである。しかしこれは重要な事であることに気づき、その結びつきが分かったので記すことにする。
御霊と御霊には強い結びつきがある。前の御霊がしっかりしないと次の御霊は生まれないし、活動しないということである。その御霊の結びと言霊“う、え、い”の関係を図で示してみる。
“う”→“え”で息を引き乍ら胸を縦横に開き、拡げる。“う”でがしっかりできないとに繋がらない。勿論、しっかりしたが出来るためにはがしっかりしなければならないし、しっかりしたになるためにはをしっかりしなければならない。がしっかりしていればが自然と独りでにに上がってくるから不思議である。
次にの関係である。
簡単に言えば、+=という事になる。
拡がった胸を“い”で腹と結ぶ。恐らく腹の気は空の気、胸の気は真空の気であろう。要は、空の気を真空の気に“い”で結びつけるわけである。
強力な気が出るわけである。故に、技をつかう際は、腹の気で相手と接し、胸の気で決めることになる。
因みに、開脚での柔軟運動は、この腹の気と胸の気をつかえばいい。“う”と“え”の言霊で、胸を腹にぶつけるように結ぶのである。高齢になって体が硬くなったのを解すにはこれしかないと思う。
腹の次は胸である。胸を鍛えるには布斗麻邇御霊の形でやるのがいい。