【第962回】 食べることも稽古のように大事

食べることを大事にしている。合気道の稽古と同じように大事にするようになった。若い頃は一食抜こうが、暴飲暴食しようが体調も食欲もすぐに元に戻ったが、今はそうはいかない。私の場合、一食抜いたら直ちに体重が減る。
自分の体重は、常に今何kgかわかるが、ちょっとおかしいと思ったら計っている。体重が減れば、ちょっと多めに食べるとか、間食する。

食事は朝、昼、晩と三食摂るようにしている。特に、朝食はしっかり摂るようにしている。万が一に、その後の昼、夜の食事がとれない場合があったとしても正常に生活していける分のエネルギーを摂取するのである。朝は確実に朝食を摂る事ができるし、ゆっくりと時間を掛けて食事が堪能できるのである。
毎朝、朝食を楽しめるのは、その前の禊にあると思う。2,3時間禊をすれば、お腹が空いてくるのは当然である。
禊で天地の気を取り入れた食事をし、その後、食物で食事をすることになる。

三食、食べるものは好きなモノ、その時、食べたいと思うモノを食べることにしている。食べるものは、からだ(胃)にお任せである。体が欲しているモノを食べるのである。いつもお世話になっている体への恩返しである。今日は肉が食べたいとか、魚がいいとか、ラーメンがいい等などと云ってくるのである。年を取ったら、好きなモノ、つまり体が欲するモノを食べるのがいいと思う。子供時代は、体とそれほど仲良くなっていないわけだから、それは危険だし、害になるはずである。

禊をして、道場での相対稽古をしても、食欲がないことがあるし、食欲はあるが沢山食べられないこともある。原因の一つは胃が縮む、小さくなる事である。そこで食欲を出し、胃を拡げて胃に元気になってもらうために外食する。一番食べたいモノ、和食、寿司、フレンチ、イタリア、中華などのお店、レストランを選んで行き、出来ればコースを頼むのである。一品料理でも、一人前を食べれば胃は大きくなり、元気になるものである。お店の一人前は若者が食べても満腹するはずなので、それを食べたという事は若者の胃になったということになるわけである。
以前、私は趣味と仕事の関係でいろいろなお店を知っているので、外食のお店選びの選択の幅は広い故、店選び、食事選びに問題はない。若い内に、ちょっと無理してでもいい店を知っておくといいだろう。

もう一つ、美味しく食べる方法がある。それは頭をつかうことである。私の場合は、新聞や本を読んで考えたりして頭をつかう他、合気道の教えや技などについて頭をつかっている。頭をつかえば腹が減るのである。体を動かしてもお腹は減るが、頭をつかっての腹の減り方とは何かが違うようである。何が違うかははっきりしないが、一番いいのは、体と頭をつかって腹を減らし、食欲を増進し、美味しく食べるのがいいのだろう。そしてこのエネルギーと気分を体と頭の働きにつかえばいいわけである。

年を取ったら、体を動かす稽古も大事だが、食べることも大事にしたいものである。