【第961回】 足は踵、手は掌底からつかう

前回は足底の三点(踵、小指球、母指球)を上手くつかわなければならないと書いた。また、この足底三点と手の三点をシンクロして技の形にはめ込んでいけばいいとも書いた。今回はこの足底とシンクロする掌底について書く。
足底の三点を踵→小指球→母指球→他方の踵・・・とつかうことによって、体がスムーズにしっかりと動いてくれるようになる。しかし、相手が打ってきたり、掴んでくる手に対して、それを制する己の手がまだ十分にしっかりしていないのである。鉄棒のように曲がったり、歪んだりしない、頑強な手になっていないのである。時として、強力な力に動けなくなってしまうのである。腰を入れて、居合腰で手をつかっても不十分なのである。

そこで、足底三点と手の三点はシンクロするはずなので、足底の三点と手掌の三点をシンクロしてつかってみると、この十分しっかりしない手の問題が解決する事になるのである。
まず、足は足底が最初に地に着き、体重が地に落ちる。故に、手も掌底に気を込め、掌底→小指球と気と力を流すのである。これまでは、手先から手を前に進めていたわけだが、これがしっかりした手づくりと働きを削いでいた事になると考える。また、居合腰で手をつかっていくと、しっかりした手ができたわけであるが、手掌に気が満ち、手掌から手をつかっていたからである。
また、これまで手を返すのは親指を体(支点)で他の指を用につかうと書いてきたが、掌底をつかえばこの働きは更に強化される。つまり、気を満たした掌底に働いてもらわなければ十分な力が発揮できないということである。 
正面打ち一教でも、片手取り呼吸法でも、先ずは掌底からつかうということである。勿論、後ろ両手取も手掌から手をつかえばいい。
手の掌底と足の踵を一緒につかうとつぎのようになる:
 手は、掌底→小指球→母指球→掌底・・・、
 足は、踵 →小指球→母指球→他方の踵→・・・

無数の法則があるようだ。法則と云うのがオーバーなら原理、原則といってもいいだろう。これまでこれで法則も最後だろうと一瞬思ったこともあったが、まだまだあるようだ。
もうひとつ分かった事がある、それは一つ一つの法則は繋がっているようだという事である。また、一つの法則を見つけると次の法則が現われるのも法則が繋がっていることになるだろう。