【第960回】 足底三点で技をつかう

これまで合気道の形(一教、四方投げ等)を布斗麻邇御霊、△○□等にはめ込んで稽古をしてきた。大分上手くいくようになったが何かまだ不完全であり、何かが欠けている感じがしていた。特に、相手の打ち出してきたり、掴みに来る手に対するこちらの手が上手く出せないのである。タイミングがずれるし、手先と腰腹の結びが切れたり、結びが弱まり大きな力がでない等である。息づかいや手や腰腹の十字などを加味するのだが駄目なのである。

そして足底の働きを再認識することになる。足底を上手くつかわなければならないという事である。以前からこの事には気がついており、論文も5本ほど書いていたわけだが、足底をまだ十分活用していなかったのである。
技を掛けたり、身体が動く際、足底は、踵、小指球、母指球が重点的に働く。しかも、技をつかう際は、踵→小指球→母指球の順でつかわれなければならない。この順で体重が移動することであり、この中に技をはめ込んでいくのである。

足底を踵→小指球→母指球の順でつかわなければならない。踵から小指球と母指球の着地はほぼ同時だがこの順序でなければならない。母指球が小指球より先に着地すると動けなくなり、技と動きは切れてしまう。
また、踵→小指球→母指球は、踵の点から踵と小指球、小指球と母指球を結ぶ線で△の面である。しかし踵と母指球は線と同時に点の動きになる。つまり、踵と母指球は地に下りる縦の動きになる。従って、踵→小指球→母指球は縦横十字に動く事になるだろう。

更に、足底と手掌はシンクロして動く。足底の踵と手掌の掌底、足底の小指球と手掌の小指球、足底の母指球と手掌の母指球をシンクロでつかうのである。身体が一体化して動き、手先から大きな力が出るので技も上手くいくのである。
この足底三点と手の三点をシンクロして技の形にはめ込んでいけばいい

因みに、足底の三点を踵→小指球→母指球をつかい、鍛えていかなければならないが、杖の素振りの足捌きの中でも出来るし、舟こぎ運動でも出来る。特に、舟こぎ運動での足底三点づかいはいい練習になるが難しい。