正面打ち一教に挑戦しているお陰で大事な事がわかってきた。このように大事な事、つまり技が上手くつかえるための要件が沢山あること、それを見つけて身に着けなければならないこと等である。初めは初心者が初めて稽古する正面打ち一教だからたやすく身に着くだろうと思っており、一番苦労する技であることに戸惑ったが、何故、容易でないのが分かったのである。
正面打ち一教のための要件を見つけ、身につけているわけだが、また新たな要件、つまり法則を見つけたので記すことにしたわけである。
それは今回の題である「体の表をつかう」である。これまで体の表をつかわずに体の裏をつかっていたことが、正面打ち一教を上手くできなかった大きな原因であったという事がわかったのである。他の要件が上手く出来ても、この「体の表をつかう」の法則を無視、違反すれば技は効かないということなのである。
具体的に説明すると、腹や胸側からの力で手をつかって技を掛けても大きな力は出ないし、相手が強ければ弾き返されてしまうのである。これは体の裏をつかっているからである。体は表をつかわなければならないのである。体の表とは体の背側、腰側、ふくらはぎ側、踵側である。
体の表をつかうと強力な力が出てくるようになる。力の大王といわれる気の力である。多少の魄力には動じない力である。
そこでその力が出るために体の表をつかうためにはどうすればいいかということになる。そう難しい事ではない。これまで稽古してきたことを統合すればいいからである。正面打ち一教で説明する。