【第874回】 天地水火陰陽

合気道が精進すべく修業を続けている。お陰で、魄の稽古から魂の修行への入り口にたどり着いたようだ。大先生の教えに学び、これまでの強い弱いではなく、宇宙との一体化を目指すようになった。宇宙の営みを形にした技を取り入れ、宇宙を取り入れ、宇宙になるのである。そのために大先生が云われているフトマニ古事記を研究している。布斗麻邇御霊の営みと力(息と気)で技をつかうようになった。一つの技、例えば、正面打ち一教をこの七つの御霊で収めるのである。
これらの御霊の働きで宇宙・万有万物が産まれ、そして営まれているので、これで技を生むのが宇宙的な意味で最良ということになる。

この布斗麻邇御霊をあおうえいの五親音で技をつかっていくと、それまでの肉体主動の技とは異質なものになる。相手を倒そう決めようというのではなく、相手が自らくっついたり、浮き上がったり、倒れたりするようになるのである。
しかし、これでも完全でない事、何かが欠けている事を感じるのである。息づかいと、体の動きの調和が上手く取れないのである。息はイクムスビや布斗麻邇御霊でやれるし、体も陰陽十字につかっているのだが、これが上手く結んで機能しないのである。

この問題を解決するのはやはり大先生の教えにあった。「天地水火陰陽」の教えである。大先生は、「人の心は天地を司るものであるから、天地水火陰陽の理に想いをはせ、稽古する事が大切である。」と言われているのである。大先生は上記の問題が起こることを予測されていたことになる。もしかしたら、大先生ご自身も同じような問題を経験されたかも知れない。
「天地水火陰陽」の理で技をつかうと、上記の問題は解消し、いい技が生まれるようになるので、「天地水火陰陽」の理を説明する。

これが「天地水火陰陽」と考える。天地が働き、水火の中で陰陽が働くという事である。この陰陽が技を生み出す上で大事だと大先生は「合気道は、地の呼吸と天の呼吸を頂いてこのイキによって、つまり陰陽をこしらえ、陰陽と陰陽とを組んで・・・技を生み出してゆく。」と言われているのである。

これで息に合った体づかいと技が大分上手くいくはずである。いろいろな技や呼吸法などで実証していきたい。