【第839回】 ウクライナ戦争と合気道

ロシアによってウクライナが侵攻されて、ウクライナの町は破壊され、多くの人々が亡くなっている。この悲惨な状況にあるウクライナに対して多くの国や団体や個人が支援している。お金や物を集めて送ったり、知人や友人達にメッセージや言葉を送って声援している。
また、音楽家たちは各国でウクライナ支援のためのコンサートを開き、収益金やその一部をウクライナに送っている。恐らく多くの団体が同じような支援をしているはずである。

そこで合気道をしている自分はこのウクライナ戦争に対して何が出来るのかを考える。地上楽園建設のため、世界平和のために合気道を修業しているはずなのに、何も出来ないではないか。勿論、ユニセフや日本赤十字を通して義援金や寄付金を送る事はできるが、これは誰でも出来ることであり、別に合気道を修業していなくともできる、謂わば、一般的な支援である。

ロシアとウクライナの戦争をしている所にいって、戦争はよくない、争いはよくないといっても誰も耳を傾けてはくれない。喩え合気道の大家であった大先生が説得されても戦争を止めさせることはできないはずである。
大先生も争いが起こってしまってからでは遅い、争いが起きないようにしなければならないと言われているからである。
戦争のような大きな争いではなく、小さな争いの喧嘩でも始まってしまっては、それを止めるのは難しいものである。

そこでこのウクライナ戦争に対して合気道家に何が出来るのか、何をしなければならないのかを考えなければならない。
始まった戦争をどうこうするのではなく、再び戦争が起こらないように努めることである。どうするかは合気道の教えにあるし、大先生が教えて下さっている。われわれ合気道の修業者はその為にも修行しているはずである。
その合気道の教えを自分自身でしっかりと把握し、技や態度で表わせるようにし、そして国内外の人々に知らしめるのである。合気道の教えは、宇宙の法則に合しているので、地域や民族や時代に関係なく理解して貰えるはずだし、賛同して貰えるものと考える。

また、人は誰でも、地上天国建設に貢献したいと考えているし、実際に社会はそれに貢献した人に賞を贈ったり、金銭を与えて評価している。逆に、地上天国建設を破壊しようとする者を犯罪者等として罰している。
今のところ、これは無意識の下に行われているが、これを合気道の教えを言葉にして伝えていけばいいと考えている。

地上天国建設をみんなで力を合わせて進めていきましょうを基にして、気がつかなければならない事は、この意味で人は皆仲間であるという事である。同じ地上天国建設の目標を持って生成化育しるわけだから、みんな仲間と云う事になるわけである。敵ではないし、戦う必要もないということである。また、因みに、動物も植物などの生物も地上天国建設の為に生成化育を繰り返しているわけだから、みんな仲間ということになる。

この教えを合気道家が世界に伝え残していくのが使命であり、戦争を起こさないための最良の方法だと考える。そう簡単な事ではないし、時間を要するだろう。大先生がおられたとしたら、きっと何とかされると思うが、居られないのだから、今いる自分たちと将来の合気道家で挑戦するしかない。
そのためにも修業をしなければならないと、気持ちを引きしめて頑張ろうと思う次第である。