【第822回】 素晴らしい人体

合気道は技を錬磨して精進していく武道である。いい技を生み出すためには体を上手くつかわなければならない。体を上手くつかうためには、宇宙の営みに則ってつかわなければならない。布斗麻邇御霊とアオウエイの言霊で体をつかっていくのである。
しかし、この稽古をしてくと、まだ何かが欠けている感じがしてくる。
それは上手くつかおうとしている体・人体のことがよく分かっていないことである。つまり、分かっていない人体をつかおうとしているわけだから可笑しいわけである。

そんなことで、人体の事を知らなければならないと思っていると、『素晴らしい人体』(ダイヤモンド社)に巡り合った。この本の趣旨は、「人体は本当によくできていて、美しく、神秘的だ。だが、これらの現象は、自然界で普遍的に起こりうる化学反応の連鎖によるものだ。何か特別な、目に見えない超自然的な力を信じたくなるほどよくできたしくみが、実は化学や物理の法則によって説明できる。」とある。
合気道家なら共感できる考えであろう。人体を合気道の技と置き換えて考えればいい。

そこでこの『素晴らしい人体』で、人体・体をどのように捉えているのかを見てみたいと思う。文量の関係もあるので、特に、合気道に関係のある体・部位の箇所を取り上げてみることにする。
また、著者の人体の説明(太字)に加え、合気道ではそれをどのようにすればいいのか、しているのかを書いて見た。(斜体)

まだまだあるが文量の関係でこれまでとする。この素晴らしい人体、摩訶不思議な人体は奥が深く、まだまだ研究しなければならないだろう。合気道の教えでは、「宇宙と人体とは同じものである」であるからである。


参考資料 『素晴らしい人体』(山本健人著、ダイヤモンド社)