この論文のテーマは『合気道の体をつくる』である。これまで何となく、合気道の体をつくるためにはどうすればいいのかを書いてきたが、この辺で、『合気道の体をつくる』とはどういうものなのか、どうあるべきなのかなどを見つめ直してみたいと思う。
まず、体をつくるということである。体をつくる目的は、体が機能するためである。体をつくるための方法は、体を鍛えることになる。
つまり、体を鍛えるのは、体をつくるため。体をつくるのは、体が機能するためということになる。
次にここでは、体は体でも「合気道の体」をつくるということなのである。一般的な、筋肉隆々で頑丈な肉体をつくるのとは、一寸違う体づくりである。
筋トレやスポーツ体操とは違うということである。
それでは「合気道の体」とはどのような体かというと、宇宙の営みと合して機能する体であり、宇宙と一体化する体である。これを目指す体ということである。そして、この宇宙の営みに一体となって機能するべく稽古することが鍛えるということであると考える。
体は多くの部位で構成されているわけだが、今回はその内の足の親指、足首、膝、股関節を鍛えたいと思う。これらを宇宙の営みに則って鍛えるのである。
宇宙の営みは布斗麻邇御霊の気の形象に表されているから、この気の流れに合して体を鍛えればいい事になる。
今回は、足の親指、足首、膝、股関節を鍛えるわけだが、何故、この部位を鍛えなければならないかというと、合気道の技を掛ける際は、これらの部位を上手くつかわなければならないからである。これらの部位が上手くつかえればいい技が生まれるということである。
これらの部位を同時につかう事もできるが、これらの部位の一つ、一つを個々に、上手く使えないと体は上手く働いてくれないし、技も効かないようなのである。
また、これまで布斗麻邇御霊のがよく分からず、上手くつかえなかったが、足の親指、足首、膝、股関節がつかえるようになると、その意味と重要性がわかってくるのである。
足の親指、足首、膝、股関節のつかい方、つまり、鍛え方である。正面打ち一教(右半身)で説明する。