【第8回】 前腕の鍛え

合気道の稽古では、体を意識してバラバラに分解して使う稽古も必要であろう。体の各部分を鍛え、自由に使えるようになれば、すべての部分を統合して使った場合、より強力な力が出ることになる。

前にも述べた通り、本部道場の故有川師範は毎時間、一つのテーマをもって一時間の稽古をされたが、そのテーマが何なのかは言われなかっただけでなく、テーマをもって稽古されていることさえ言われなかったので、ほとんどの稽古人はただ漠然といつもの稽古をしていたと思われる。

今回は第四回に引き続き、故有川師範の稽古時間でこのテーマのためにどんな技をされたのか、私の稽古メモから紹介する。

稽古日は2002年2月6日、稽古のテーマは「前腕の稽古」であった。このテーマは、先生の最初の体慣らしの準備運動の動作から察することができた。

○ 準備運動:正面打ち左右、横面打ち左右、突き左右
本日のテーマ  前腕(ヒジ)の稽古
           準備運動の中で本日の稽古のテーマをやっている
○ 諸手取り呼吸法:前腕、肘関節でやる
○ 正面打ち一教:
― 前腕で崩す
○ 正面打ち入り身投げ:
 ― ヒジを曲げ、その下から相手を眺めるようにする。
○ 正面打ち回転投げ:
 ― 当身を入れるな!柔術とは違う。合気道とは違うものになってしまう!
(先生からの注意)
○ 片手取り四方投げ:
 ― ヒジから先を使った技、動き
○ 片手取り隅落とし
 ― ヒジ曲げ伸ばしで投げる
○ 片手取り二教崩し:
 ― ヒジでまわし、指を真っ直ぐ上に上げ、親指に引っ掛け、相手の手が外れない位置で落として崩す。
○ 座技呼吸法:  ― ヒジで合気上げする